2012 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア大陸部低湿地社会における生態環境と居住空間の相互環
Project/Area Number |
22360254
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 郁郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70424918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹澤 宏剛 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00337685)
内海 佐和子 昭和女子大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10398711)
橋本 憲一郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40361646)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ラオス / エコトーン / タイ・プワン / ルー / 住居 / 村落 / 居住空間 |
Research Abstract |
本研究は、ラオス人民民主共和国の中央部および北部のそれぞれ平野にある水との親和性が高い社会において、人びとが河川や水田、湖沼などの水環境や生態とかかわりながら住居や村落を組織している様態を究明した。方法としては、メコン河支流流域圏と接するタイ・プワンやルーなどの民族集団の村で定点観測的、悉皆的な現地調査を行い、一次資料を収集した。研究は平成22年度から3年間に渡った。22年度は、ヴィエンチャン県のタイ・プワンの村で雨季と乾季の2回、23年度は同じくヴィエンチャン県のタイ・プワン、タイ・ダム、タイ・デーンなどが共住する村で雨季の1回、ルアンパバーン県のルーの村で乾季の1回、24年度は23年度に引き続いてルーの村で雨季と乾季の2回の現地調査をおこなった。 調査地では以下のようは特徴が共通していた。生業は農業で水稲耕作であること、水田は天水田が基本だが、近年は灌漑を有するところもあり、その場合は2期作化していること、河川や熱帯湖沼での漁撈に加えて水田漁撈も行われていること、川岸に農地を開墾し、乾季にはそこで農作物の栽培を行うこと、村内外に混栽樹園地であるホームガーデン、住居や生活財の素材として使うための竹林が確保されていること、村落の周囲に広がる森林は個人所有と共同管理のエリアに明確に分けられ、森林はまた宗教的実践とも結びつくことなどである。いずれの調査地でも、陸域と水域の接点となる一次的エコトーン、農耕地に代表される二次的エコトーン、日常生活の舞台となる三次的エコトーンの村落という空間の組織は共通し、これら領域間を多様な資源、生物、人の行為が行き来する。本研究は、このように居住空間の全体像を把握しながら、個別社会で建築物の生産と意味論的理解を究明した。それにより、当該地域の居住文化理解に一定の枠組みを与えうるモデルを提示できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)