2011 Fiscal Year Annual Research Report
ワーカーの行動計測に基づくワークプレイスの評価の研究
Project/Area Number |
22360258
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
宗本 順三 岡山理科大学, 工学部・建築学科, 教授 (60219863)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 教授 (80111938)
松下 大輔 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90372565)
|
Keywords | 知的生産性 / ワークプレイス / ワークスタイル / 行動計測 / コミュニケーション / フリーアドレス・オフィス |
Research Abstract |
震災の影響により、22年度の調査が7月まで行われたので、それらの得られたデータの解析と論文への纏めの作業と平行して、今年度の研究が行われたので、調査は実質的には9月からスタートとなった。本年度は、ワークプレイスの評価方法として、従来からのワーカーの行動計測に加えて、ワーカーの生理面から評価する方法として、ストレスの相違を計測する方法を研究した。国内外の事例と実際のワークプレイスでの計測し易さから、α-アミラーゼの活性化指標を用いることにした。 調査対象として、建設会社設計部のフリーアドレスオフィス、及び固定席オフィスとした。24年2月27日~3月2日、3月5日~9日の計10日間行った。ワーカーから1時間おきに唾液採取用チップで唾液を採取し、唾液アミラーゼモニターで計測した。同時に、簡単なアンケートで主観的なストレス状態、仕事の進捗状況を尋ねた。作業内容等は、調査員がその場で記録した。その結果、フリーアドレスオフィスの方が課長職を除いてα-アミラーゼの活性値が固定席オフィスよりも高いことが分かった。課長職がフリーアドレスで低くなるのは、固定席オフィスよりもフリーアドレスオフィスの方が、管理やコミュニケーションの取りやいことに原因があることが推測された。その一方で、フリーアドレスオフィスは主観的にもストレス度合や仕事の進捗度合も高い回答であった。これらの研究成果は現在建築学会大会梗概集で24年度発表する。 2月10日から20日まで国土交通省支援の知的生産性研究委員会のメンバーと共同で、インド、シンガポール、マレーシアの先進的事例の視察調査を行った。特にインドではIT企業、シンガポールでは都市開発において先進的オフィスが建設されつつあり、貴重な情報交換が出来た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響で、東京の企業での調査に半年の遅れが出たが、調査を終えて実験結果のデータの解析にスピードを上げて、遅れをほぼ取り戻した。 今後はこれらのデータを精査して、研究成果として纏める。
|
Strategy for Future Research Activity |
知的生産性とワーカーの行動及びワークプレイスの評価は極めて強く関連しており、最終年度はこれらの関連性に重点を絞って纏めるとともに、設計や計画に役立つ成果として、世界に先駆けて研究成果を公表してゆく。 アジア諸国からも研究への注目度が高く、成果を活用してリードしてゆくことが望まれる。
|
Research Products
(7 results)