2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機修飾された酸化物交互共重合体を用いた増幅光応答の実現
Project/Area Number |
22360276
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高橋 雅英 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20288559)
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Keywords | ハイブリッドコーティング / 形態記憶微細構造 / スマート材料 / 階層的微細構造 / ロボオンチップ / 微小流路回路 / 湿度応答性 / 自己組織化 |
Research Abstract |
無溶媒合成法では、主に原料分子間の酸塩基反応を利用する。酸塩基反応を用いると、種々の組み合わせで高効率に有機修飾酸化物交互共重合体を作製できる。原料となる有機修飾塩化シラン(R:有機官能基)とリン酸を混合・加熱することにより反応が進行する。反応生成物の塩化水素がガスとして系外に放出されるために、反応は自発的に右に進む。塩化物の代わりにアルコキシドなどを用いても同様の反応による材料合成が可能である。前駆体分子の分子軌道計算を行い、電子供与性と電子受容性を予測することも可能であり、反応性や分子構造の予測も可能である。ゾル-ゲル法などの液相合成法では、原料試薬間の反応性の違いから、複数の酸化物種が混在する場合は分相が起こり、最終的な物性を精度良く設計・再現することは容易ではない。それに対して、本研究では酸化物ユニットが交互に配列しているという構造的特徴から、分相を伴うことなく組成を選択できるというメリットがある。出発原料間の反応性は、酸塩基強度で決定するために、重合度、分子末端構造など得られた材料の物理化学的特性を決定する構造的因子の制御も可能となる(Chem.Mat.18,2075(2006))。すなわち、最終的に得られるハイブリッド分子の基礎物性は、構成元素の種類・比率による化学的要素と分子形状などの物理的要素の両面から設計可能である。本研究では、このような有機修飾酸化物交互共重合体の特性を活かした材料設計を実現するために、酸塩基対の多様化を図り組成設計の自由度を向上する、反応性制御による分子構造設計指針を確立を目指した。機能性を付与するための機能中心含有性(濃度および分散性)の制御指針を確立し、-(M(1)-O-M(2)-O)n-からなる交互共重合体主鎖のバリエーション拡大を、ホウ素、リン、ケイ素、ジルコニウム、チタンに拡張し、オリゴマーレベルの分子量制御を行い、基本構造体となり得る分子の合成に成功した。
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Research Products
(11 results)