2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機修飾された酸化物交互共重合体を用いた増幅光応答の実現
Project/Area Number |
22360276
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高橋 雅英 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20288559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳留 靖明 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50613296)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 有機-無機ハイブリッド |
Research Abstract |
提案者らが開発した新しい材料である交互共重合型酸化物主鎖を有する有機—無機ハイブリッド材料を用いて、光機能性微小光学素子を形成し、素子構造に由来する光極在性と新規材料の機能性を利用した高効率な光センシング素子の実現を目指す。交互共重合体構造を特徴とする新規有機-無機ハイブリッド材料は、従来にない広い範囲で組成制御が可能である。これまでに、ネットワークを構成する元素、側鎖の有機官能基、ゲスト機能性分子/イオンを多彩に選択することにより様々な光機能性開拓を行ってきた。これらの研究成果をベースとし、今年度は(1)酸化物交互共重合体の分子設計、(2)化学組成の多様化、(3)ナノ表面への精密コーティング技術の創出を目指した。その結果以下の成果を得た。 (1) 酸化物交互共重合体の分子設計:オリゴマーレベルでの分子構造設計に成功し、線状分子や分岐分子を作製した。これらの組み合わせにより、熱特性を制御した最終生成物を得た。 (2) 化学組成の多様化:ケイ酸-リン酸塩系で得た知見を拡張し、ホウ酸-ケイ酸系、ホウ酸-チタン酸系など新たな交互共重合型分子を得た。 (3) ナノ表面への精密コーティング技術の創出:ナノ構造を有する表面への精密コーティング手法を開拓した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交互共重合型分子の多様化に成功し、ホウ酸やチタン酸などレアメタルに頼らない、機能設計の指針を得ている。また、分子構造の設計手法もほぼ確立し、科学的あるいは分子設計的なアプローチによる物性設計への目処が立ちつつある。機能性の開拓においては、当初の光機能性のみならず、バリア膜等への応用展開も図っており、新しい材料系の創出が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
メタクリル基やビニル基を末端に有する官能基で修飾されたシロキサンやチタンアルコキシドを出発原料として用いることにより、交互共重合型オキソポリマー自体に重合性を付与できる。分子量を制御して光重合性プレポリマーを作製し、PDMS(PolyDiMethyl Siloxane)モールドを用いて成形・光固化することにより、数百nm以下の空間分解能での微細加工が可能である。実際、平面型光導波回路に要求される、0.1dB/cm程度の導波損失を示す光回路の試作に成功している。 これまでの研究で得られた高機能性材料自身を用いて、光キャビティを形成し、増強された光電場によりレーザ発振特性、フォトリフラクティブ効果の高効率化を目指す。また、液相プロセスの利点を生かして、ナノ表面へのコーティング技術を開拓し、構造物性相 関を使用した材料開拓を行う。Erイオン、Ndイオンあるいは有機レーザ色素を添加した光重合性の酸化物交互共重合体自体を用いて、トロイド型の光キャビティを基板上に形成し、低閾値レーザ発振を実現する。さらに、トロイド型キャビティの光局在特性が、周囲の環境の変化に敏感なことを利用し、レーザ発振線をプローブとして用いた、高感度環境モニター特性の付与および高感度化を目指す。 また、電子回路やフレキシブルエレクトロニクスの実現に向けて、パッシベーション材料としての応用を開拓していく。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Microfabrication of Mesoporous Silica Encapsulated Enzymes using Deep X-Ray Lithography2012
Author(s)
Cara M. Doherty, Yuan Gao, Benedetta Marmiroli, Heinz Amenitsch, Fabio Lisi, Luca Malfatti, Kenji Okada, Masahide Takahashi, Anita J. Hill, Plinio Innocenzi, Paolo Falcaro
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Journal Title
J. Mater. Chem
Volume: 22
Pages: 16191-16195
Peer Reviewed
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