Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 直樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, センター長 (60251617)
坂口 勲 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 主幹研究員 (20343866)
安達 裕 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 主任研究員 (30354418)
大垣 武 独立行政法人物質・材料研究機構, センサ材料センター, 研究員 (80408731)
菱田 俊一 独立行政法人物質・材料研究機構, センサ材料センター, 主席研究員 (40354419)
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Research Abstract |
透明な高周波デバイスの配線に適応するためのZnO薄膜をガラス基板上に作製し,物性値と微細構造を評価した.ZnOにGa_2O_3(2mol%)を添加したターゲットを用いてArガス雰囲気中で,ガラス基板上に室温で合成した結果,抵抗率5×10^<-4>Ωcmと比較的低抵抗な膜を合成することに成功した.また,高い透過性と保ちつつ,低いシート抵抗値を得るために,ZnO膜の膜厚を厚くする方法を検討した.その結果,Ga_2O_3を0.1mol%添加したZnO膜の場合,膜厚1um以上で表面荒れにより透過率が急激に低下した.一方,Ga_2O_3を2mol%添加したZnO膜の場合,膜厚1.5umまで透過率80%を超える膜が得られ,シート抵抗値3.3Ω/Sq.と低抵抗な膜が得られた.得られた抵抗率と膜厚を基に電磁界シミュレータを用いてコプレーナ伝送線路を設計し,透明な高周波デバイスへの応用を検討した.その結果,透明導電膜のみの伝送線路では,損失が大きく実用化は困難であることが明らかになった.そこで,透明性を保ちつつ,実効的に線路の抵抗値を低減する線路構造を検討し,透明導電膜上に金属を配置するハイブリッド構造を考案した。なお,金属の線幅は,透明性を保つために,目視にて認識することが困難な10μm以下とした.この構造により線路の実効的な抵抗値は,1/10以下に低減できる.また,高周波特性は信号線の端部に電流密度が集中するエッジ効果により,微細な金属の配置場所で線路の損失が大きく異なり,信号線の端部に配置ことが最も効果的であることが判明した.
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