2011 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ析出炭素繊維強化複合材料の開発
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22360282
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
内藤 公喜 独立行政法人物質・材料研究機構, ハイブリッド材料ユニット, 主任研究員 (70421394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義久 独立行政法人物質・材料研究機構, ハイブリッド材料ユニット, 主幹研究員 (60343844)
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Keywords | 炭素繊維 / カーボンナノチューブ / 引張特性 / せん断特性 / はく離特性 / 気相法 / 液相法 / 信頼性 |
Research Abstract |
A.カーボンナノチューブ析出炭素繊維束(小型カーボンナノチューブ析出装置使用)とエポキシ樹脂を用い、T型はく離特性試験片および単純重ね合わせ継手試験片を作製した。また、本材料を用いてはく離特性試験およびせん断特性試験を実施した。 1)気相法による触媒導入では、未析出の試験片と比べて、T型はく離強度が向上した。液相法による触媒導入では、0.1M以上の触媒濃度で気相法と同程度のT型はく離強度の向上が見られた。 2)単純重ね合わせ継手形状では重ね合わせ長さにより平均せん断強度が低下する傾向を示す。未析出の炭素繊維束を用いて重ね合わせ長さを変化させた単純重ね合わせ継手を作製した。本材料の試験により重ね合わせ長さと平均せん断強度の関係を得た。 3)重ね合わせ長さを固定(3mm)し、カーボンナノチューブ析出炭素繊維束での単純重ね合わせ継手を作製した。本材料の試験により、気相法による触媒導入では、未析出の試験片と比べて、平均せん断強度が向上した。液相法による触媒導入では、0.1M以上の触媒濃度で気相法と同程度の平均せん断強度の向上が見られた。 B.中型カーボンナノチューブ析出装置を設計/製作した。 1)カーボンナノチューブ析出炉内の寸法がφ240mmX250mmであり、通常の試験片サイズのカーボンナノチューブ析出炭素繊維を用いたCFRPが作製できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気相法/液相法による触媒の導入での炭素繊維へのカーボンナノチューブ析出の確認、繊維束単位での引張、はく離、せん断強度評価を実施している。また、中型カーボンナノチューブ析出装置を設計/製作している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)両試験でのカーボンナノチューブ析出炭素繊維束単位でのはく離やせん断強度の向上が見られたが、強度バラツキも大きい。カーボンナノチューブ析出の効果がより明確にするためおよび向上機構を詳細に検討するためには単繊維での特性評価が必要である。 2)現在までの単繊維および繊維束単位での研究成果をもとに、次年度以降、カーボンナノチューブ析出の条件出しを行い、カーボンナノチューブ析出炭素繊維を用いたナノーミクロン階層型CFRPを作製する。
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Research Products
(8 results)