2012 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ析出炭素繊維強化複合材料の開発
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22360282
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
内藤 公喜 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (70421394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義久 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (60343844)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 炭素繊維 / カーボンナノチューブ / 引張特性 / せん断特性 / はく離特性 / 気相法 / 液相法 / 信頼性 |
Research Abstract |
A.昨年度のカーボンナノチューブ析出炭素繊維束単位(エポキシ樹脂使用)でのはく離やせん断試験で、カーボンナノチューブ析出によるはく離およびせん断強度の向上が見られた。しかし、カーボンナノチューブ析出の効果をより詳細に検討するためには単繊維での特性評価が必要である。そこで、本年度はカーボンナノチューブ析出炭素単繊維とエポキシ樹脂を用いてせん断強度試験(マイクロボンド試験)を実施した。 1)気相法および液相法(0.1Mの触媒濃度のみ)による触媒導入では、未析出の試験片と比べて、カーボンナノチューブ析出炭素単繊維のせん断強度(界面せん断強度)の向上が見られた。2)両試験片の走査型電子顕微鏡を用いた破面観察により、未析出の試験片では繊維表面に樹脂がほとんど付着していない界面破壊の様相を呈しているのに対して、気相法および液相法によるカーボンナノチューブ析出炭素単繊維では破壊開始点近傍で繊維表面に樹脂が付着する凝集破壊の様相を呈していることがわかった。3)昨年度実施したカーボンナノチューブ析出炭素繊維束単位でのはく離やせん断試験後の破断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。単繊維でのせん断強度試験後の破断面と同様に、未析出の試験片では繊維表面に樹脂がほとんど付着していない界面破壊の様相が主に観察された。一方、カーボンナノチューブ析出炭素単繊維では凝集破壊の様相を呈していた。また、未析出とカーボンナノチューブ析出炭素単繊維ではせん断破壊進展に伴うハックル模様の凹凸が激しいことが確認できた。 B.カーボンナノチューブ析出炭素繊維を用いたナノ-ミクロン階層型CFRPの作製 1)炭素繊維の巻き取りおよびエポキシ樹脂シートを用いた炭素繊維プリプレグの作製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標である炭素単繊維でのせん断強度試験(マイクロボンド試験)を未析出および気相法/液相法による触媒の導入でのカーボンナノチューブ析出炭素単繊維で実施できたこと。カーボンナノチューブ析出によるせん断/はく離強度向上機構を走査型電子顕微鏡による破断面観察で検討したこと。カーボンナノチューブ析出炭素繊維を用いたナノ-ミクロン階層型CFRPの作製に向けて炭素繊維プリプレグの工程が確認できたこと。多くの直接的な研究成果(論文等)が出ていること。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの単繊維および繊維束単位での研究成果をもとに、カーボンナノチューブ析出炭素繊維を用いたナノ-ミクロン階層型CFRPを作製し、CFRPレベルでのせん断強度試験を行う。全結果をもとにカーボンナノチューブ析出による効果を明らかにする。
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Research Products
(6 results)