2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360285
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小山 佳一 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 教授 (70302205)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 政彦 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80212174)
伊藤 昌和 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40294524)
|
Keywords | 磁性 / 熱分析 / 強磁場 / 機能性材料 / 平衡状態図 |
Research Abstract |
平成23年度は平成22年度に引き続き、(A)Mn系金属の強磁場中状態図調査および(b)Fe系金属の強磁場中状態図調査を行った。平成23年3月に起きた東日本大震災等の影響で、国内強磁場施設の共同利用強磁場磁石のいくつかが使用できなくなったが、得られた研究実績について以下に詳しく述べる。 (A)Mn系金属の強磁場中状態図調査 試料Mn-Bi二元合金について、東北大学金属材料研究所強磁場センターの10T及び18T無冷媒超伝導マグネットを共同利用し、平衡状態図の磁場による影響を詳しく調査、ほぼ磁場中状態図を完成させた。この成果は平成24年度中に論文発表を行う予定である。平成23年度に導入した示差走査熱量計でMn系物質の相転移に関わる熱量のデータを再評価した。磁場中状態図のシミュレーションの精度高めるため、CALPHAD法プログラムの磁気エネルギー取り込み方法を改善して計算を行い、より磁場中実験に近い結果を得た。さらにMnCoSbGe系の磁気相図製作に着手、強磁場実験の結果、機能性発現の条件を確認した。強磁場中状態図を調査するための強磁場X線装置を完成させ、論文発表を行った。 (B)Fe系金属の強磁場中状態図調査 亜共析と過共析領域の純良炭素鋼試料について、東北大学金属材料研究所強磁場センターの10T及び18T無冷媒超伝導マグネットを共同利用し、平衡状態図の磁場による影響を詳しく調査、ほぼ磁場中状態図を完成させた。 (A)Mn-Bi系と(B)Fe-C系の実験強磁場平衡状態図と計算強磁場平衡状態図を比較したところ、Mn-Bi系の計算結果は実験結果とほぼ一致するが、Fe-C系の計算結果は実験結果を十分に再現できない。これは、Mn-Bi系の磁性は平均場近似でよく表現でき、状態図計算プログラムに取り込むことが出来るが、Fe-Cの磁性はそれが難しいためと判断した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究4年間の第一目標である磁性材料の強磁場中平衡状態図が2年目にして、強磁場実験によってほぼ明らかになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)Mn系磁性材料とFe系磁性材料の強磁場中平衡状態図をシミュレーションできる条件を調査する。 2)磁場を制御しMn系磁性材料の構造や機能性に関する基礎物性を評価する。
|
Research Products
(15 results)