2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360291
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹中 康司 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60283454)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 逆ペロフスカイト / 磁性材料 / 磁気構造相関 / 負熱膨張 / 熱膨張制御 / 抵抗標準 / 複合材料 |
Research Abstract |
特異な磁性と関連する多彩な機能が注目される逆ペロフスカイトM3AX (M=Cr、Mn、Fe; X=Nなどの侵入元素) の機能を生み出す磁気構造相関の学理を明らかにし、その人為的制御から負熱膨張材料、磁歪材料、磁気冷凍材料などの機能材料創製を目指して研究を行ってきた。平成24年度ならびに平成25年度では、金属でありながら常磁性相において電気抵抗-温度曲線に緩やかなピークを示すMn3AgNに対し、構成元素の一部置換を徹底的して行い、新たな抵抗標準材料として利用が十分見込めるレベルでピークをなだらかにすることに成功した。Mn3AgNベースの低抵抗温度係数材料は、①これまで抵抗標準材料として利用されてきたマンガニンなどの合金材料に比べ、動作温度(ピーク温度)がより広い温度域で制御可能、②合金系材料が機能制御にppmオーダーの組成制御が必要なのに対し、Mn3AgN系では%オーダーで十分で、そのため多品種少量生産が可能、といった優位性があり、今後国産の抵抗標準材料として我が国の科学技術・産業力向上に貢献すると期待される。一方、巨大負熱膨張性マンガン窒化物Mn3ANについては、Mn3Cu1-xAxNの系統的な磁化や熱膨張、結晶構造の評価から、磁気体積効果による体積の膨張(自発体積磁歪)を定量的に見積もり、この物質群における大きな自発体積磁歪と磁気構造の密接な相関を明らかにした。また、自発体積磁歪に対する磁気ストレスやフラストレーションの効果を検証した。さらに、巨大負熱膨張材料を工業的な熱膨張抑制剤として活用するための技術開発として、金属や樹脂など様々な素材と複合化を行った。この結果、熱膨張の大きな樹脂においても、熱膨張がマイナスになるまで低減でき、広い範囲で熱膨張を自在に制御できることを実証した。また、将来的な電子デバイスへの活用を念頭にMn3CuNやMn3AgNの薄膜作成を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(13 results)