2011 Fiscal Year Annual Research Report
多次元電子顕微鏡法による時効硬化過程の立体的可視化
Project/Area Number |
22360292
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金子 賢治 九州大学, 工学研究院, 教授 (30336002)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東田 賢二 九州大学, 工学研究院, 教授 (70156561)
馬場 則男 工学院大学, 情報工学部, 教授 (80164896)
|
Keywords | 電子線トモグラフィ / アルミニウム合金 / 時効硬化 |
Research Abstract |
・重要性や意義 本研究では材料のマクロ特性と微構造の相関を3次元で解明すべく、合金材料のマクロ特性を制御している析出物の分散状態や時効に伴う析出物の構造や形態の変化を透過型電子顕微鏡とトモグラフィ法を組み合わせた電子線トモグラフィ法を用いることによリナノスケールで立体的に可視化することを属的としている。また、可視化するのみならず、材料の機械的特性との相関を定量的に解明し、今後の材料開発の指針とすることを目的としている。 ・具体的内容 電子線トモグラフィ法をベークハード特性を有し、自動車用ボディーパネル材として注目を集めているAl-Mg-Si系バランス合金に適用した。Al-Mg-Si系金の場合、母相と析出物(β")に含まれる元素がほぼ岡じ原子番号を有することから、走査型電子顕微鏡による高角環状暗視野(原子番号コントラスト)を用いた立体的な可視化は困難であったが、低角環状暗視野法と環状明視野法を併用することにより、β"とその周囲に発現する歪みコントラストの立体的可視化に成功した。この内容は平成24年度5月に開催される日本軽金属学会にて発表予定である。 また、時効強化メカニズム解明の一環として析出物と隷欠陥の相互作用の解明が望まれているが、同様にAl-Mg-Si系合金について、β"と線状欠陥の相互作用を立体的に解明することに成功した。この内容に関しても平成24年度5月に開催される日本金属学会九州支部大会にて発表予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Al-Mg-Si系合金に適用した結果、、析出物とその周囲に発現する歪みコントラストの立体的可視化に成功している。更に時効アルミニウム合金の対象として7000系アルミニウム合金である超々ジュラルミン等も手ガけたが、析出物が微細すぎることから分散状態やその形態を立体的に把握することが困難で有った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、低温で時効効果が発現する超ジュラルミン(2000系合金)系に応用し、時効に伴うCuAl_2やAl_5Cu_2Mg_2、あるいはMg_2Si等の析出物の分散状態を明らかにし、時効硬化で高い強度が得られる原因などを微構造や分散状態の観点から立体的に解明することを予定している。
|