2010 Fiscal Year Annual Research Report
積層圧電素子による空中超音波計測システム開発と宇宙ロケット機器への適用
Project/Area Number |
22360305
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
三原 毅 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (20174112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 発造 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 准教授 (80179689)
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Keywords | 積層圧電素子 / 空中超音波 / 宇宙ロケット機器 / インピーダンス整合 / マルチチャンネルパルサー / シミュレータ / 超音波可視化装置 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
本研究では、H2ロケット固体ブースターの構造体等を非接触に評価する目的で、空中超音波計測システムを開発するため、積層素子により超音波送受信能率を飛躍的に高めた計測システムを構築することを目的として、大変位超音波送信のため、積層圧電素子を利用したシステムの検討を行う。 本年度は、まず基本的な探触子作成技術を取得することに重点を置き、強固な電極作成、接合技術、結線、ダンピング材、パッケージの、積層探触子と単一探触子探触子の基本的作成方法を検討・試作するとともに、並行して積層構造による電気インピーダンスの影響を実測する装置を完成した。また今年度は、購入した圧電波動解析コードを利用して、圧電素子、電極、ダンピング材、パッケージ等の材料と形状のモデルを決め、付加電圧波形を入力することで、超音波の送受信波形を正確に評価できる、積層圧電素子波形シミュレータを開発し、試作した積層素子波形と比較することで、その有効性を検証した。その結果、実測波形と良い対応が得られ、シミュレータとして利用出来るめどを立てることができた。また試作積層素子で見られた波形の乱れの対策を、シミュレータで検証した結果、解決案を提案できたので、次年度試作条件を合わせて試作し、積層素子設計のツールとしての有効性も検証する予定である。さらに、今年試作した高能率積層探触子を、空中超音波探触子に繋げるため、素子表面に付加する音響インピーダンスのマッチング材料の検討も開始した。また、作製積層素子の音場観察のためのシュリーレン超音波可視化光学系の構成にも着手し、計画通り研究を遂行できた。
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