2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶媒電気化学プロセスによる自己組織化ポーラス層創成とその工学応用
Project/Area Number |
22360307
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土谷 博昭 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50432513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 愼司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70199371)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ナノポーラス / 電気化学プロセス / 有機溶媒 / コバルト・クロム合金 / チタン / 生体適合性 |
Research Abstract |
本年度は有機溶媒を用いた電解処理中に電解液へ溶出するイオン分布を調査しナノポーラス層形成過程を検討するとともに様々な金属基板へのナノポーラス層形成を検討した。またナノポーラス層が形成したステンレス鋼の生体用金属材料への適用を検討した。具体的にはナノポーラス層を形成したステンレス鋼に模擬生体環境下でひずみを付与し、ステンレス鋼表面に形成した酸化物皮膜が破壊された際の耐食性を評価した。 過塩素酸を含む有機溶媒中でのステンレス鋼の電解処理において、ステンレス鋼の主成分である鉄、クロム、ニッケルは電解液中の、試料表面近傍に濃縮し、各濃度は電解電圧とともに増加し、電解電圧がナノポーラス層が形成する電圧まで到達すると、増加割合は緩やかになった。このことよりナノポーラス層形成には電解処理中に試料表面近傍にイオン濃縮層が形成することが必要であることが示唆された。本研究では様々な金属基板へのナノポーラス層形成を試みたが、過塩素酸を含む有機溶媒中での電解処理によりナノポーラス層が形成したのは本研究で検討した範囲ではステンレス鋼とインコネル合金のみであった。両合金と同様に、クロムを多く含むコバルト・クロム合金では過塩素酸含有溶液ではナノポーラス層を形成しなかったが、過塩素酸塩含有溶液を用いた場合、コバルト・クロム合金においてもナノポーラス層が形成することを見出した。コバルト・クロム合金は水溶液中では表面酸化皮膜に合金主成分であるコバルトがほとんど入らず、ステンレス鋼では主成分の鉄は多く含まれることから、過塩素酸の代わりに過塩素酸塩を使用することにより有機溶媒中の水分を減少させたことからコバルトの溶解が抑制され、その結果、ナノポーラス層が形成したと考えられる。またステンレス鋼のひずみ付与中の耐食性は電解処理により表面にナノポーラス層を形成することにより大きく向上することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)