2011 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃エネルギー下でのマグネシウム合金の変形挙動の解明と高歪速度加工の可能性探求
Project/Area Number |
22360308
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
外本 和幸 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (70199462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 昭寿 崇城大学, 工学部, 助教 (60433017)
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Keywords | マグネシウム / 衝撃エネルギー / 爆発加工 / 高歪速度 / 変形挙動 / 材料加工 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、マグネシウム合金の高速変形挙動の解明に関する実験、および同材の爆発圧着に関する研究を推進した。前者に関しては、数値解析などに必要な基礎データを得るためにも重要であり、高速度ビデオカメラを使用して、現象にできる限り近接した超高速現象の可視化実験を推進中である。超高速変形の数値シミュレーションの体制も整いつつあり、汎用の数値解析コードとしてよく知られているAUTODYNを使用して、爆発・衝撃波の作用による高速の変形現象をおおむね模擬できる状況になっている。後者のマグネシウム合金の爆発圧着実験については、いくつかの主要な材料に対する接合実験が系統的に実施され、接合可能な範囲が定量的に明らかにされつつある。しかしながらマグネシウムの融点が比較的に低いことに伴って比較的容易に界面反応層を形成してしまうことが多く、一般の材料と比較しても接合が困難であり、接合時の運動エネルギー損失を低減することが必要であることが判明した。われわれが独自に開発して本研究にも利用している水中衝撃波を用いる爆発圧着法は、接合時の運動エネルギー損失が比較的小さい接合法にはなっているものの、さらなる運動エネルギー損失量の低減が望ましいことが知られた。このことを実現するためのひとつの手法として、薄いマグネシウム合金の薄板を飛翔板と母材の間に挿入する方法を新たに試み、このことによって接合条件の改善(界面反応層の低減もしくは除去)が認められつつある状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マグネシウム合金の爆発圧着の研究については順調で、論文成果も上がりつつある状況であるものの、マグネシウム合金の高速変形挙動の解明に関して写真撮影が技術的に難しくやや遅れ気味である。後者の問題は実験回数を確保することなどで解決できる問題と考えており、次年度中に十分な成果が挙げられるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
11.にも記したように、高速変形現象の光学計測実験がやや遅れているものの、実験回数を重ねることや、場合によっては衝撃銃利用(爆薬以外の高速加速の手法)などにより、来年度には当初の目標を達成することが可能であると考えている。
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