2011 Fiscal Year Annual Research Report
直接形エタノール燃料電池用新規高性能電極触媒の開発
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22360310
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
井上 博史 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00213174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 栄次 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80402022)
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Keywords | 直接形エタノール燃料電池 / 電極触媒 / エタノール酸化 / アンダーポテンシャル析出 / 白金 / ロジウム / 酸化スズ / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
本年度得られた結果をまとめると以下の通りである。 1.H-UPD(アンダーポテンシャルデポジション)法により、多結晶Pt板上にRhならびにSnを析出させたところ、Rhは単原子層を形成し、Snは数層の酸化物層を形成することがわかった。また、どちらの場合もPt板上に吸着した原子上水素との置換析出に用いる前駆体水溶液の濃度を高くするとRh層やSnO_x層の被覆率も高くなることが電気化学測定よりあきらかになった。また、Rh層修飾Pt板(Rh/Pt)上にSnO_x層を形成させたところ、SnO_x層はPt板とRh層の両方に析出することがわかった。 2.エタノール酸化活性は、SnO_x層を修飾した場合(SnO_x/Pt)に大きく向上したが、Rh/Pt電極ではPt板とほぼ等しかった。また、Rh/Pt電極上にさらにSnO_x層を修飾した場合(SnO_x/Rh/Pt)にも、エタノール酸化活性が向上することがわかった。 3.エタノール酸化反応の耐久性については、どちらの層を修飾した場合にも改善されたが、SnO_x層を修飾した方がより優れた耐久性を示すことがわかった。 4.電気化学測定法と組み合わせた赤外反射吸収分光分析により、異なる電位での電極表面吸着種の同定を行った結果、SnO_x/Pt電極では酢酸の生成が確認され、CO_2の生成はPt電極と同じ電位で観察された。これに対して、Rh/Pt電極では、酢酸の生成は高電位においてもほとんど確認されなかったが、Pt原子ならびにRh原子上に吸着した直線状COが低電位から観察され、隣接したPtとRh原子に吸着したエタノール分子の炭素-炭素結合が開裂していることが明らかになった。 5.SnO_x/Rh/Pt電極では、より低い電位からCO_2が生成し、酢酸の生成が抑制されていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(Pt75-SnO_225)_<nano>/CBナノ粒子へのRhの担持については検討できなかったが、本年度得られた赤外反射吸収分光分析の結果から考えると、CO_2の選択性を改善しないのではないかと考えられる。それ以外は当初の予定通り進んだといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果から、Pt-Rh-Snのように隣接する原子配列がCO_2の選択性を向上させる上で有効であることが示唆された。このような原子配列を実現する方法を来年度に検討し、CO_2の選択性が向上するかどうかを明らかにする。その結果を踏まえて、Pt/Rh/SnO_2ナノ粒子触媒を合成する。
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Research Products
(5 results)