2012 Fiscal Year Annual Research Report
直接形エタノール燃料電池用新規高性能電極触媒の開発
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22360310
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
井上 博史 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00213174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 栄次 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80402022)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 直接型エタノール燃料電池 / 電極触媒 / エタノール酸化 / アンダーポテンシャル析出 / 二酸化炭素 / 白金 / ロジウム / 酸化スズ |
Research Abstract |
平成23年度までに得られた結果に基づき、本年度当初に立てた、「Pt-Rh-Snのように隣接する原子配列がCO2の選択性を向上させる上で有効である」という仮説が正しいかどうかを検証するために、(1)Pt、Rh、Sn原子配列の制御法を確立し、(2)CO2選択性について分光学的手法を用いて明らかにした。また、(3)この触媒のエタノール酸化活性を評価した。その結果、以下のような知見が得られた。 (1)原子状水素を用いるアンダーポテンシャル析出(H-upd)法と置換析出法を組み合わせることによりPt電極上にRh単原子層を形成させたPt/Rh電極に、適切な電位を印加しながらCOを電解液に吹き込むと、Pt上のみにCOが単原子吸着することを見出した。この電極を用いて、(H-upd法+置換析出法)によりSnOx層をRh上にのみ形成させることに成功した。 (2)上記のように作製したPt/Rh/SnOx電極の赤外反射吸収法(IR-RAS)による解析から、Pt/Rh/SnOx電極では、0.5 V付近からCO2の生成を確認することができ、しかも酢酸の生成が非常に抑制されることが明らかになった。このことから、我々の立てた仮説の正しいことがわかった。 (3)Pt/Rh/SnOx電極でのエタノール酸化に基づく電流はPt電極でのそれより約0.1 V負電位側から始まった。また、Pt/Rh/SnOx電極でのエタノール酸化比活性は、Pt電極の場合に比べて約5倍になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pt/Rh/SnOxの作製ならびにIR-RASによる分析に時間がかかったため、ナノ粒子触媒の作製について検討する時間がなかったが、それ以外は当初の予定通り進んだといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果から、エタノールのCO2への完全酸化を可能にする原子配列を明らかにすることができた。このような原子配列を実現するPt/Rh/SnOxナノ粒子担持カーボン触媒の作製法を来年度に確立し、エタノール酸化活性とCO2選択性を評価する。
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