2012 Fiscal Year Annual Research Report
スパッタリング・ターゲット用高融点金属の高純度精製
Project/Area Number |
22360311
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三村 耕司 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (00091752)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 高融点金属 / 高純度金属 / ジルコニウム / 高純度精製 / 不純物 / プラズマ溶解 / 水素プラズマ |
Research Abstract |
公称純度99.2%の比較的低純度の市販Zr (O,N,C,Hfを除く不純物合計濃度は約0.6%)を原料に、プラズマ出力5~7 kWで約30gを水素プラズマ溶解(HPAM)した。プラズマ生成ガスにはAr及び10~50%H2+Arを用い、溶解は片面5~30分、試料を裏返し同時間、計2回行い、不純物除去に対する水素量や溶解時間の影響を検討した。また、精製効果向上を目的に、排気系のダイアフラムポンプを使用し、減圧(約8 kPa)下での溶解精製も行った。前者を常圧HPAM、後者を減圧HPAMと呼ぶ。溶解前後のZr分析にはGDMSを用い、ほぼ全ての金属不純物元素の低減化挙動を調べた。 Zrの常圧および減圧HPAMでは、プラズマ出力とプラズマガス水素量の増加に伴い精製効果は向上し、蒸気圧が高い金属不純物(Fe, Al, Ni, Cr, Cu, Sn等)の迅速な蒸発除去が観察された。特に減圧HPAMでは、出力と水素量増加の効果が顕著に発現し、精製効果の一層の向上が確認された。ただし、低蒸気圧金属不純物のHf,Mo等の蒸発除去は困難であった。以上の結果、減圧50%H2+Arプラズマ溶解(7kW) 60分以上で、O,N,C,Hfを除く不純物の合計濃度は約0.6 mass%から0.05 mass%以下に減じ、Zr純度は約99.2%から99.95%以上にまで向上した。 またHPAM時の試料減量率(Zrの蒸発損失)は、プラズマ出力やプラズマガス水素量の増加で高くなるが、常圧に較べ減圧では約1/10以下に低くなる傾向が見られ、減圧HPAMでZr蒸発損失は著しく減少した。その結果、99.95%以上のZrが得られた減圧50%H2プラズマ溶解では、Zr蒸発損失は1%以下と極小さく、高真空電子ビーム溶解等と較べ、減圧HPAMは非常に効率的な溶解精製法であることが実証された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|