2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ粒子化・局所溶融化による211方位制御薄型シリコン太陽電池の創成
Project/Area Number |
22360315
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮原 広郁 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (90264069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一人 九州大学, 工学研究院, 助教 (50404017)
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Keywords | 結晶成長 / 過冷度 / 界面エネルギー / 太陽光発電 / 一方向凝固 / 多結晶シリコン |
Research Abstract |
多結晶シリコン(Si)は太陽電池総生産量の約50%を占めており,太陽光発電産業の先導的役割を果たす材料であるが,より高い発電効率及び生産性効率の向上のためには,結晶学・冶金学的見地からの品質改善が求められている.さらに半導体産業ではSi原料の枯渇とともに,ウエハ切削加工における50%の切削くず廃棄の問題がある.このような背景から,本研究では高い発電効率を維持しながら切削加工を伴わない太陽電池モジュールの製造プロセス技術を見出すことを目的とし,本年はSiの微粉体の製造及びその溶解過程について調査した. まず,まず石英製ルツボに入れた11Nの高純度Si試料を,既存の電気抵抗型方向凝固炉において1687Kで溶解させ,試料底部で5~10Kの過冷度を有する凝固条件で凝固させて直ちに急冷した.粉砕されたシリコン塊は,過冷度,凝固速度および坩堝の大きさに依存して数ミクロン~数ミリメートルで分布した.いずれも凝固したSi結晶サイズに依存しており,高純度Si微粉体を作製するためには,結晶粒界面積が多い微細結晶とすることが必要であることがわかった. 続いて,高温における溶融Siの挙動を調査するために,窒化珪素およびアルミナを用いて溶融Siとの整合性を調査した.1687Kにおける基盤と溶融Siの濡れ性は用いたセラミックスの結晶構造に大きく依存して著しく変化したことから,溶融Si形態は基板との結晶構造差に基づく界面エントロピーに影響されると考えられた. さらに,平成22年度に購入したレーザ溶接機を用いて,試料チャンバーの整備および溶解条件の予備調査を行った.Siは融解潜熱が極めて高いが,比較的長いパルスで低出力のレーザを照射することにより,数秒で溶解凝固できること,また溶解後に1~2ミリの粗大な球状Si塊となっても熱収縮により粉砕されないことを見出した.
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