2010 Fiscal Year Annual Research Report
柑橘果皮中の薬効成分分離を目指した溶媒循環型超臨界抽出‐精留法の開発
Project/Area Number |
22360317
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪股 宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10168479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 善之 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50243598)
大田 昌樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50455804)
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Keywords | 超臨界 / 天然物 / 精留 / 溶媒循環 / 薬効成分 |
Research Abstract |
柑橘果皮中に含有されるフラボノイドやカロテノイドには、抗酸化作用、抗炎症作用、糖尿病抑制、抗癌作用、抗認知症作用を示すものがあり、これらを漢方薬やザプリメント素材として、安全・安心・効率的に分離する方法として、超臨界CO_2と水、エタノールのみを使用する超臨界抽出・精留法に基づく新しい分離法を開発することが目的である。まず柑橘果皮からの超臨界抽出実験データの解析に必須である溶解度の把握を目的とし,その基礎データの蓄積と推算法を検討した。 1.エントレーナを含む超臨界流体系へ適用できる溶解度測定装置を新たに組み立て、入手可能な標準物質を用いた溶解度データの効率的な収集を行い、ノビレチンに類似の構造を有するフラボンおよびフラバノンの溶解度データを各種温度・圧力・密度条件で取得した。 2.得られた溶解度データはChrastilの式による推算値と合致した.すなわち,両対数軸において溶解度と密度データとの線形性が得られ,測定データの信頼性が評価された. 3.超臨界流体中への溶解度を,融点・融解熱という熱物性とSP値に基づき推算するもので希少価値の高い天然成分も対象系として想定されている.本研究にて獲得したノビレチンを含むフラボノイド8種の溶解度データに対して本モデルを適用したところ計算結果は実験結果を良好に再現した。さらに、得られた計算結果を25℃,大気圧,すなわちCO_2密度≒0に外挿することでフラボノイドのSP値を求めたところ,得られた値は有機溶媒にて推定された値と矛盾しないことが判明し,推定値として精度が向上した。
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