2010 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧燃焼時の環境汚染物質低減を目指した超高圧パルス噴霧特性の解明
Project/Area Number |
22360318
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 秀之 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40241533)
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Keywords | 高圧噴霧 / 微粒化 / パルス噴霧 |
Research Abstract |
超高圧パルス噴霧特性について、広い空間における挙動の観察、測定を行った。また二相流数値解析を実施すべく、計算の高速化を実施した。フェーズ・ドップラー・粒子分析器により噴霧粒径を、ハイスピードカメラにより噴霧挙動を、等速吸引により軽油噴射時の分散量分布をそれぞれ測定した。噴射圧力を40~100MPaで変化させ、同流量となるように噴射時間および噴射間隔を調整した。ハイスピードカメラによる取得画像を二値化処理し、噴霧到達距離や半径方向への拡散を定量的に評価した。その結果、噴霧圧力の増加は、微粒化を進行させ、微粒化の進行による周囲流体との接触面積の増加により、液滴と周囲流体との運動量交換が促進することがわかった。また、噴霧先端到達距離の測定結果より、噴射初期は、噴霧圧力の増加とともに噴霧先端到達距離は増加するものの、下流においては、微粒化が良好であるために運動量交換が進行し、かえって噴霧の速度は減少することがわかった。噴射圧力により噴霧近傍に形成される非定常的な同伴空気流が、噴霧流の乱流拡散過程に多大な影響を及ぼしていることが実験により明確となった。これは従来の低圧噴射時と比較すると、噴霧到達距離から求められる噴射速度が大きく、同伴空気量が増大する効果が大きいためと考えられる。また噴射間隔によっては、直前に噴射された噴霧流に直後の噴霧流が追いつく現象も観察された。燃焼時の噴霧の着火位置は、予備実験によりノズル下流200mm程度であり、パルス噴霧流のパルス間の干渉が、燃焼特性や環境汚染物質の生成に多大な影響を及ぼすと考えられ、より幅広い条件における噴霧挙動の観察と、数値シミュレーションの適用が有効と考えられる。
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