2012 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界溶体急速膨張法による薬物の粒子設計技術の実用化に向けた基盤研究の展開
Project/Area Number |
22360320
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
内田 博久 信州大学, 工学部, 准教授 (70313294)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 超臨界溶体急速膨張法 / 薬物 / 微粒子 / 粒子設計 / 溶解度 / 結晶形態・多形制御 / 固体共溶媒効果 |
Research Abstract |
我々は,超臨界溶体急速膨張(RESS)法により得られる微粒子の粒径が,溶質溶解部と粒子生成部の間の過飽和度と線形性を有することを明らかにし,本結果に基づいた粒子設計法を提案した.この粒子設計法の妥当性の確認には超臨界二酸化炭素に対する薬物の溶解度が必要不可欠な知見となるため,信頼性の高い溶解度の測定が可能となる紫外可視分光法を利用した溶解度測定装置を設計・製作し,超臨界二酸化炭素に対するテオフィリンおよびカフェインの高精度な溶解度データを測定した.次に,RESS法による薬物の粒子設計技術の確立を目的として,イブプロフェン,テオフィリンおよびカフェインをモデル物質とし,種々の操作因子の微粒化への影響を検討した.その結果,溶質溶解温度,溶質溶解圧力,膨張直前部温度および膨張ノズル温度の影響は,我々が提案した粒子設計法に基づいて議論可能であることがわかった.一方,膨張ノズル径,粒子回収部温度および粒子回収距離の影響は,我々の粒子設計法に基づく議論が困難であることが明らかになった.これは,我々が提案した粒子設計法の成立に前提としている結晶化機構が変化している可能性があり,今後の検討・解明が必要と考える.さらに,RESS法の汎用性の強化を目的として,超臨界二酸化炭素に対する低溶解物質への適用性を向上させるために,固体共溶媒を利用したRESS法の適用性を検討した.固体共溶媒としてバニリン及びボルネオールを用い,固体共溶媒添加がテオフィリン粒子創製に与える影響を検討した.その結果,バニリンを添加した場合,通常のRESS法により創製された粒子よりも粒径が小さく球状粒子が得られたことより微粒化に有用であることがわかった.これは,粒子創製過程においてバニリン粒子がテオフィリン粒子周囲に配置することによる結晶成長阻害が理由であると考える.一方,ボルネオールによる効果はほとんど認められなかった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)