2010 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトナノコロイドの特性評価に立脚した分離操作の超精密制御
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22360322
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
入谷 英司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60144119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 誠之 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (00345919)
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Keywords | ソフトナノコロイド / 分離 / 超精密制御 / 限外濾過 / 濾過ケーク / 平均ケーク比抵抗 / 圧力依存性 / 脱液挙動 |
Research Abstract |
本研究では、生体高分子、ハードナノ粒子凝集体などのソフトナノコロイドの分離操作の超精密制御を実現するため、ソフトナノコロイドの特性評価法を確立し、それに基づき複雑な分離メカニズムを解明して、最適な分離手法、装置や操作の設計のための指針を得ることを目的とする。本年度は、ソフトコロイドの脱液挙動および圧縮変形挙動の評価を行うために、様々な形式の限外濾過法を検討し、脱液データに基づきソフトナノコロイドで構成される濾過ケークの比抵抗の圧力依存性について究明を試みた。ソフトナノコロイドとして代表的なタンパク質である牛血清アルブミン(BSA)を用い、コンピュータ制御式全自動濾過試験システムにて、シングル定圧濾過、シングル階段状圧力増加定圧濾過、定速濾過、変圧変速濾過を行った。シングル定圧濾過およびシングル階段状圧力増加定圧濾過は、本研究で新たに提案する濾過試験法で、極めて大きな抵抗を有する分離膜を用いることに特徴があり、膜抵抗がケーク抵抗に対して無視できないことから、膜の圧損が設定濾過圧力からケークの成長とともにゆるやかに減少することとなり、ケークにかかる有効圧力は0から設定圧力へとゆるやかに増大し、定圧下においても実際には変圧変速濾過を実現させることができる。特に、シングル階段状圧力増加定圧濾過試験では、従来の濾過試験では不可能であった広範囲の圧力における平均ケーク比抵抗を、短時間の一回の濾過試験における濾過速度のデータのみから一気に決定できるようになり、得られるデータの妥当性も検証することができた。ソフトナノコロイドの効率的な分離のために重要となる圧力の影響を容易に評価できる手法として有用である。
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