2012 Fiscal Year Annual Research Report
一方向凍結・乾燥操作による水と微粒子のコロイド溶液からの多孔構造体の創成
Project/Area Number |
22360323
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶋 正裕 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60185254)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶺 信輔 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30335583)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 一方向凍結 / 多孔構造体 / コロイド溶液 / 凍結乾燥 |
Research Abstract |
一方向凍結法は多孔構造体を作製するためのテンプレート法の一種である。温度を低下させると結晶化する溶媒と高分子あるいは無機粒子を溶質とするコロイド溶液などを一方向に冷却すると、凍結により形成した溶媒結晶が温度勾配に沿って成長し、この結晶構造をテンプレートとして溶質を凝集・凝固させることによって、方向性をもった結晶構造を反映した溶質の多孔構造体が得られる。 昨年度は、一方向凍結法により得られる多孔構造を多様化するため、溶質高分子の多成分化ならびに溶媒の多成分化による多孔構造制御について検討した。 本年度は、溶質を高分子系から無機系に移し、シリカ粒子のコロイド液(溶媒は水)を一方向凍結し、ラメラ、ハニカム多孔体といった種々の構造形態をもったシリカの多孔体を作製する実験を行い、その構造制御因子を明らかにした。具体的には粒子径の平均値がそれぞれ35、75、220 nmである3種のシリカ粒子を濃度10 vol%で分散させ、分子量の異なる水溶性高分子(ポリエチレングリコールとポリビニルピロリドン)を構造体を保持するためのバインダーとして2%加えたコロイド水溶液を作成し、その溶液を一方向凍結し、粒子径とバインダー種が多孔構造に与える影響を評価した。また、DLSを用いて粒子の拡散係数を測定し、各溶液中での粒子の拡散係数と凍結速度と多孔構造の形態の因果関係を明確にした。その結果、粒子の溶液中の拡散係数が小さくなるにつれて、多孔構造がラメラからハニカムへ遷移していくことが明確となった。すなわちコロイド粒子の溶媒中の拡散係数が構造体のラメラ、ハニカムというモルフォロジーを決定する重要因子になることが明確になった。 また、昨年度重点的に実施した多成分高分子および多成分溶媒系のコロイド分散溶液の一方向凍結による多孔構造体創製の研究をさらに進めその成果を論文としてまとめた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
-
[Journal Article] Interconnected pores on the walls of a polymeric honeycomb monolith structure created by the unidirectional freezing of a binary polymer solution2013
Author(s)
Okaji, R. Sakashita, S., Tazumi, K., Taki, K., Nagamine, S., Ohshima, M.
-
Journal Title
Journal of Materials Science
Volume: 48 (5)
Pages: 2038-2045
DOI
Peer Reviewed
-
-