2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ多孔体薄膜の特異な分離機能を利用した膜分離に関する基盤的研究
Project/Area Number |
22360326
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松方 正彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00219411)
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Keywords | 膜分離 / ゼオライト / キシレン / 膜合成 / シリカライト / 蒸気透過分離 / ALPO |
Research Abstract |
新規な膜分離技術を創生することにより、次世代のエネルギー・化学産業における動脈プロセスの一層のグリーン化に貫献することを目指し、ゼオライトをはじめとしたミクロ多孔体を材料とする無機分離膜の開発のための基盤研究を行っている。平成23年度は、ミクロ多孔体膜の合成手法に関する研究については、種結晶の付着状況の制御と膜成長機構の解明、およびそれらの膜の透過分離特性に及ぼす影響について検討した。特に、リン酸アルミニウム系のミクロ多孔体である結晶性アルミノフォスフェートALPO-18について合成条件の最適化に取り組んだ。ALPO-18は酸索8員環入り口を有する小口系ゼオライトに属し、水と有機物の分離に対して高い選択性が期待できる。種結晶の合成条件の検討、多孔質管状アルミナ支持体への付着条件の検討、薄膜合成条件の検討を行い、ALPO-18の比較的ち密な薄膜の合成に成功した。また、この膜を用いて、水/酢酸混合蒸気の分離試験を行ったところ、選択性100を超える水選択性と、耐酸性が発揮されることをはじめて見出した。また、水/イソプロピルアルコール系の脱水膜としてY型ゼオライト膜の開発に取り組み、膜成長の段階において合成溶液を一度交換する2段法を用いると、透過選択性が向上し、選択性が400を超えることを見出した。また、水の透過性能は、合成条件にほとんどよらず一定となった。このことは、水の透過の律速段階が、ゼオライト薄膜層の透過側における脱離にあり、アルミナ多孔質支持体中の拡徹によって透遇性能が支配されていることを強く示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の成果を活用し、さらに合成方法を改善する事によって、Y型ゼオライトの透過選択性の向上に成功した。また、分離膜として新奇なALPO-18の薄膜化に成功し、さらに酢酸からの脱水性能を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに、Y型ゼオライト膜の性能向上のための合成条件の最適化について検討を進めるとともに、新奇な耐酸性膜であるALPO膜についても合成条件のさらなる確立を目指して検討を進める予定である。
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Research Products
(16 results)