2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属水酸化物を基盤とした高機能固体触媒および新触媒反応の開発
Project/Area Number |
22360334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 和也 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50334313)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 固体触媒 / 新反応開発 / マンガン酸化物 / アミド化反応 |
Research Abstract |
本年度は、第一級アルコールを出発原料とした第一級アミド合成を行った。2×2トンネル構造を有する酸化マンガン(以後、OMS-2とする)を触媒、アンモニア水を窒素源、酸素を酸化剤として反応を行ったところ、種々の第一級アルコールを出発原料として対応する第一級アミドを効率よく合成できることを見出した。種々の置換基を有するベンジル型アルコールのアミド反応は置換基の位置や電子的効果の影響をほとんど受けずに効率よく進行し、いずれの基質からも対応するベンズアミド誘導体が高収率で得られた。o-アルコキシ置換ベンジルアルコールからサリチルアミド誘導体が高収率で得られたことから、本法は、図2に示した多段合成法の効率化・副生成物低減化代替法となる可能性も秘めている。アリル型アルコールからは、対応する不飽和アミドが高収率で得られた。このとき、二重結合の水素化や異性化反応は進行しなかった。ヘテロ芳香環を有するアルコールや反応性の低い脂肪族アルコールのアミド化も効率よく進行した。反応中にろ過によりOMS-2を除去すると、反応は直ちに停止した。また、反応液へのマンガン種の溶出がないことをICP-AES分析により確認した。したがって、反応は溶出したマンガンではなくOMS-2の固体表面上で進行していることが明らかとなった。さらに、反応後回収したOMS-2は、2-ピリジンメタノールのアミド反応において10回以上の再使用が可能であった。また、OMS-2は、第一級アミンの酸素化による第一級アミド合成に対しても高い活性を示すことを見出した。OMS-2を触媒として用いると、種々のベンジル型、ヘテロ芳香環式、脂肪族第一級アミンから対応する第一級アミドを合成することができた。さらに、OMS-2や高表面積アモルファスMnO2などのマンガン酸化物は、トルエンなどのメチルアレーン類のアミド化反応にも高い活性を示すことも見出した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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