2010 Fiscal Year Annual Research Report
高性能中空糸無機膜を用いた自己昇圧駆動型水素製造メンブレンリアクタの創製
Project/Area Number |
22360335
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大山 茂生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50572939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 隆司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40325486)
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Keywords | 無機膜 / 水素分離 / 透過機構 / アモルファスシリカ / CVD |
Research Abstract |
本研究では、物質輸送と触媒反応を組み合わせた先進的なメンブレンリアクタの開発を行うことを目的としている。初年度にあたる本年度は、高性能な無機膜を作製し、そのガス透過特性の評価を中心に行った。多孔質アルミナ支持体に、中間層として、粒子サイズを制御したベーマイト(AlOOH)を、ディップコート法により堆積させた。その後、CVD法によりシリカ膜を作製した。シリカ源にはTEOSを用いた。粒度分布測定装置により、ベーマイトの平均粒子径は、40nmであった。また、走査型電子顕微鏡像より作製したシリカ膜は平滑で、厚さは50nm程度であった。次に、作製したシリカ膜を用いて、サイズの異なる各種ガス(水素、ヘリウム、ネオン、窒素、メタン、二酸化炭素、六フッ化硫黄)の透過特性を測定した。293から873Kの温度範囲で測定を行った。シリカ膜を含まない中間層のみの場合、873Kにおける水素/メタン選択比は3であったが、シリカ膜では、水素/メタン選択比は大きく向上し、240となった。中間層のみの場合、すべてのガスはクヌーセン拡散機構により透過していることが示され、中間層の細孔はおおよそ2.1nmと見積もられた。一方、シリカ膜では、小さな分子(水素、ヘリウム、ネオン)に対しては、固相拡散機構により、また、それ以外の大きな分子(窒素、メタン、二酸化炭素、六フッ化硫黄)に対しては、Gas-translation機構により、各種のガスが透過することがわかった。また、シリカ膜の細孔はおおよそ0.34nmと見積もられた。
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