2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ界面相互作用を利用した新規イオン伝導体の創成と電気化学デバイスへの展開
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22360336
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊地 隆司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40325486)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 固体電解質 / 無機酸素酸塩 / 界面伝導相 / 燃料電池 / エネルギー効率化 / 有効媒質近似 / ピロリン酸シリカ / リン酸二水素セシウム |
Research Abstract |
本研究では、特定の無機酸素酸塩と酸化物マトリックス材料とのヘテロ界面に形成される界面相の形成機構と、このような界面相の伝導度が飛躍的に上昇する機構について研究を進め、伝導相/マトリックス界面相互作用による高い伝導性を示す薄膜複合体を開発し、200~300℃で作動する中温作動型燃料電池や電気化学デバイスへと応用することを目的としている。昨年度までにSiO2のリン酸処理方法について、H3PO4/SiO2モル比が0.4より小さい場合には形状を維持してリン酸処理をしたSiO2が調製できた。これらのリン酸処理をしたSiO2をマトリクスとして複合体を調製し伝導度の測定をおこなったところ、200℃以下の温度域で特に伝導度の向上が著しく、有効媒質近似からも界面相の影響が大きく出ていることが示された。また、ファイバー状のシリカ膜に伝導相としてCsH5(PO4)2を溶融含浸させることで高いプロトン伝導度 (約20 mS cm-1) を示すCsH5(PO4)2/SiO2ファイバー膜 (膜厚 : 70-150 μm) を作製した。薄膜化により電解質膜の面積抵抗を0.32 Ω cm2まで低減させることに成功した。さらに作製したCsH5(PO4)2/SiO2ファイバー膜を電解質として用いた燃料電池の発電に成功した。最大出力密度は105 mW cm-2となり、中温作動型燃料電池として高い発電性能を示した。さらに200°Cにおいて長時間発電試験を行い、50時間安定して発電することが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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