2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360340
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
関根 泰 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20302771)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 水蒸気改質 / 触媒 / 水素製造 / 電場印加 |
Research Abstract |
本年度、電場を印加した触媒反応に関する研究を通して、以下のことが明らかとなった。まず、低温・低流量において、電場の印加に伴う過渡応答を検討した結果、Q-MassのH2Oシグナルは立ち上がり、CH4シグナルは立ち下ったことから、電場印加に伴い,活性化されたH2O分子(H2Oact)が触媒表面上のH2Oに衝突し、脱離が促進されるとともに、CH4の解離吸着が促進されると考えられる。Electreformingでは、律速段階が従来の触媒のみの反応の律速段階であるCH4の解離吸着から、H2Oの担体上への吸着へと変化した。また、水蒸気改質としてはCH4のPt上での解離吸着種と、触媒上の吸着H2O種との反応が進行することが示唆された。Electreformingにおいて水性ガスシフト反応は、COと気相中のH2Oが関与して進行することが示唆された。またさらに、Ceはいずれの前処理(昇温・酸化・還元)を施しても、4価を保っており、電場印加によってCeの配位数は低下するが、印加終了時には上昇することがわかった。メタリックな状態のPtは、SR進行によりわずかに酸化され、Electreforming進行によってより強い酸化状態をとっていることがわかった。さらには、電場の印加を止めても、Ptは酸化された状態を維持しており、IR測定より、H2Oの触媒表面への吸着状態はOHではなく、H2Oである可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電場反応における過渡応答を四重極質量分析計による詳細な解析で明らかにすることが出来、また担持金属の微細構造の変化についてもSPring-8でのin-situでのEXAFS観察により電位印加応答が明らかとなった。これまでにこれらの現象は報告例がなく、反応場のその場観察による詳細なメカニズムが明らかになってきたことで、今後さらなる研究の進捗が望める。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2013年度は、担持金属微細構造と担体構造、電子状態が反応にどのような影響を与えるかについて、総括的な検討を行うとともに、さらなる高性能な触媒プロセスの提案を進め、低温での電場中での触媒反応の学理解明と応用の展開を完成させたい。
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