2012 Fiscal Year Annual Research Report
酵母の有機溶媒耐性に関わる転写制御カスケードの解明とその応用
Project/Area Number |
22360342
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植田 充美 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90183201)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機溶媒耐性 / 転写制御因子 / ストレス応答 / ABCトランスポーター / PDR1変異 / 薬剤耐性 / 情報伝達システム / 相互作用 |
Research Abstract |
我々の国際特許出願を可能にした世界初の有機溶媒耐性酵母の転写因子PDR1の変異による多様な有機溶媒(親水的及び疎水的有機溶媒)耐性の表現型を分類し、これらの中から包括的に取得した制御因子群と多様な有機溶媒耐性との対応を整理し、有機溶媒耐性ストレスへの情報伝達システムのカスケード検索ならびに転写制御因子間の相互作用を基礎的に解析して、育種につなげることを目的とした。 PDR1-R821S変異を導入することにより野生型酵母に有機溶媒耐性を付与することができたが、R821S変異をもったPdr1pの制御下で、PDR1の変異により転写レベルの上昇したABCトランスポーター群 (YOR1, PDR15, PDR10, SNQ2)に着目し、C末端にEGFPを融合した形で各トランスポーターの過剰発現を行った。デカン存在下においてはPDR10、SNQ2、PDR15過剰発現株は野生株と比べてデカン耐性の向上が見られた。またノナン存在下においてはSNQ2、PDR10過剰発現株のみが生育でき、イソオクタン存在下においてはPDR10過剰発現株のみが生育を示した。これらの結果から、Pdr1pによって転写制御されるABCトランスポーター群の中でSNQ2、PDR10、PDR15が疎水性有機溶媒に対する耐性に関与していることが分かった。 さらに、親水性有機溶媒であるDMSO存在下においてYOR1過剰発現株のみが野生株よりも良好な生育を示した。したがって、ABCトランスポーター群を疎水性有機溶媒と親水性有機溶媒のそれぞれに対する耐性への関与によって分類することができた。このような分類は、薬剤排出の時と同じような機構によって有機溶媒排出が行われている可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)