2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞の活性状態を規定する工学パラメータの策定と細胞寿命評価
Project/Area Number |
22360344
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田谷 正仁 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60144127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾島 由紘 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (20546957)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ヒト細胞 / 酸化ストレス / 遺伝子発現 / 細胞活性 |
Research Abstract |
ヒト造血幹細胞のモデル細胞株であるK562細胞は,生理活性物質であるphorbol 12-myristate 13-acetate (PMA)を培地中への添加することで,細胞寿命の短縮とともに巨核球への分化が引き起こされる.巨核球分化では,本来浮遊系の細胞であるK562が培養面へと付着・伸展し,核内分裂が生じることで核と細胞質の巨大化が進行し,やがて細胞死に至る.前年度までは,K562細胞の巨核球分化に酸化ストレスが重要な役割を果たしていることを明らかにし,外因性の過酸化水素を添加することで分化が促進されることを報告した. そこで今年度は,得られた知見を基にヒト初代造血幹細胞を用いて,巨核球分化における酸化ストレスの影響を確認した.ヒト初代造血幹細胞(CD34陽性細胞)に酸化ストレスとして過酸化水素を,また一方で抗酸化剤としてN-acetylcysteine (NAC)を種々の濃度で添加し,巨核球分化の評価指標である倍数性を確認したところ,特に未成熟な巨核球細胞においてNACによる濃度依存的な分化の抑制が見られた.さらにこの時の細胞の遺伝子発現量を解析したところ,抗酸化酵素であるカタラーゼの発現が巨核球分化の誘引により抑制されることを発見し,内在的の活性酸素種を増加させる要因であると推測された.以上の結果から,モデル細胞株であるK562と同様にヒト初代造血幹細胞の巨核球分化では,特に誘導初期において酸化ストレスが重要であることが明らかになった. 得られた結果は新規性の高い内容として国内学会および雑誌論文において発表した
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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