2011 Fiscal Year Annual Research Report
好熱菌亜リン酸デヒドロゲナーゼを用いたバイオ還元系の確立
Project/Area Number |
22360346
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 章夫 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (50205241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 隆一 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (90452614)
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Keywords | 補酵素 / リン酸 / 亜リン酸 / NADH / デヒドロゲナーゼ / 再生系 / L-tert-ロイシン |
Research Abstract |
昨年度までに50℃で活性を示す耐熱性亜リン酸デヒドロゲナーゼ(PtxD-R4506)の取得に成功した。そこで、当初の予定通り、PtxD-R4506を用いたNADH再生系の有効性評価を行った。抗ウイルス薬の前駆体として使用されるL-tert-ロイシン(LTL)は、ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)によってNADHとトリメチルピルビン酸(TMP)から立体選択的な還元的アミノ化によって合成される。そこで、PtxD-R4506を用いたNADH再生系をこの反応と共役させて、LTL合成を行った。50mM TMP, 15U/ml LeuDH, 1.5U/ml PtxD-R4506, 0.5mM NAD, 75mM亜リン酸を混合し、45℃で反応を行ったところ、およそ3時間でほぼ100%のTMPがLTLに変換されたことが明らかになった。このことからPtxD-R4506のNADH再生系が、NADH依存性の酵素反応を進めるために有効であることが確認できた。次に、PtxD-R4506を発現する大腸菌を70℃で加熱処理し、NADH再生触媒として利用できるかどうか検討した。70℃で10分間熱処理した菌体を用いて亜リン酸依存的なNADH生成を測定したところ、ほとんどNADHが検出されず、酵素が失活したと考えられた。そこで、処理温度の条件検討を行った結果、50℃,10分の熱処理により、活性を示すことが明らかになった。今後このホールセル菌体触媒を用いてデヒドロシキミ酸からのシキミ酸合成を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定していたシキミ酸の不斉合成についてのみ、追加事前調査を要したためやや遅れが生じたが、PtxDを用いたバイオ還元系の実証など主たる研究に関してはほぼ予定通り達成できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
デヒドロシキミ酸からのシキミ酸合成反応を触媒するシキミ酸デヒドロゲナーゼはNADPH依存性のものが多い。PtxD-R4506はNADに対する基質特異性が高く、NADPをあまり利用できないため、NADPH再生系として利用するためには基質特異性を改変することが望まれる。そこで、NAD結合領域に変異を導入し、NADPH利用能の向上を試みる。
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Research Products
(16 results)