2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール操作による三次元血管化組織の形成と再生医療への応用
Project/Area Number |
22360347
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶原 稔尚 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10194747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水本 博 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (90346817)
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Keywords | 再生医療 / 肝細胞 / 血管内皮細胞 / 血管新生 / 共培養 |
Research Abstract |
1.スフェロイド集積培養用チャンバーの開発 内皮細胞に被覆された肝細胞スフェロイドを高密度に集積し、再組織化を行う培養チャンバーの開発を行った。まず再組織化の過程における流れの影響を評価するために、チャンバー内を培地が循環する灌流型チャンバーの開発を目標とした。そして、高密度にスフェロイドが充填された空間内に破綻なく培地を送液する方法として静水圧に着目し、静水圧駆動型の灌流チャンバーの試作を行った。チャンバーは内径2mmのシリコンチューブによって作製し、静水圧による培地流動を得るために落差1mの間隔で2つのリザーバーを配置した。チャンバー内にあらかじめ作製した正常ヒト膀帯静脈内皮細胞(HUVEC)によって被覆された初代肝細胞スフェロイドを集積後、灌流培養を開始した。培養48時間後に組織学的評価によって培養細胞組織内部での肝細胞とHUVECの分布状態や生存状態の評価を行った。培養48時間後において、チャンバー内では、スフェロイドが集積した培養肝組織が形成された。内部では、HUVECが一定間隔で網目状に配置されている様子が観察された。この結果、静水圧を利用することにより灌流培養条件下においてスフェロイド集積による培養肝組織の形成誘導が可能な培養チャンバーを開発した。一方、充填するスフェロイド数によって組織の形成状況は異なり、条件によってはスフェロイドの球状形態が残ったまま接着している様子も観察された。今後はより長期に培養を行うと共に、充填スフェロイド数や流量との関係について検討を行う必要がある。
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Research Products
(9 results)