2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗体医薬の最適化のための無細胞ディスプレイ技術の応用
Project/Area Number |
22360351
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
土居 信英 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (50327673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 弘志 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40327672)
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Keywords | 蛋白質 / 進化 / バイオテクノロジー / ウイルス / 免疫学 |
Research Abstract |
初年度は、mRNAディスプレイ法を用いて、HIVの侵入を阻害する抗CCR5一本鎖抗体の試験管内進化を行った。HIVは粒子表面の糖タンパク質gp120が宿主細胞の受容体CD4および補受容体CCR5およびCXCR4に結合することで感染することからCCR5およびCXCR4はHIV侵入阻害剤の重要な標的となっている。これまでに共同研究者である熊本大の三隅らは、CCR5の第2細胞外ループを模倣したペプチドに対するマウス抗体を作製し、HIV感染阻害活性を持つことを示したが、本研究では、このマウス抗体遺伝子を元に、高い特異性と親和性を有するヒト一本鎖抗体への試験管内進化実験を行った。まず、抗CCR5マウス抗体遺伝子のCDRを除く領域をヒト型に置換したヒト化一本鎖抗体を作製し、CCR5の第2細胞外ループを模倣したペプチドに対する結合活性を維持していることをELISA法により確認した。そこで、ランダム変異を導入した変異ライブラリーのmRNAディスプレイ法による試験管内選択を4ラウンド行った後、配列解析を行ったところ、抗原結合部位であるCDRに変異がある変異体が4つ得られた。4つの変異体(4R-1,4R-21,4R-31および4R-38)が、CCR5模倣ペプチドに対して特異的に結合するかどうかをELISA法により確認した結果、4R-31が野生型よりも高い結合活性を有することが示唆された。
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Research Products
(5 results)