2012 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウムにおける特異熱流体力学状態の定量的同定とその間の遷移の実験的検証
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22360353
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 正秀 筑波大学, 名誉教授 (40111588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 卓 筑波大学, システム情報系, 助教 (30578109)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 航空宇宙工学 / 流体 / 人工衛星 / 超流動 / 超流動乱流 / 熱カウンター流ジェット / 量子化渦 / PIV法の応用 |
Research Abstract |
1 PIVとPTV法による計測結果の差異の解明:超流動熱対向流ジェット実験を行った結果、両者間に差異はないことが判明。差異ありとした既存の報告は、むしろ実験条件の違い(最大はqの大きな差異、ジェットとダクト流の違い)により発生したと結論出来た。また、PIV法による計測値が常流動速度の理論値を下回りかつそれが強い温度依存性を示すことについては、これがPIVトレーサー粒子と量子化渦との干渉に依るとするSergeev 等(J Low Temp Phys 2009)の半理論予測との比較がなされた。その結果、(1) 理論と同様、PIV計測結果にも熱流束qの大小により線形と非線形領域があることが判明。(2) 線形領域では、PIV実験値と理論値とは定性的には勿論、定量的にもオーダー的に一致。(3) 線形・非線形領域間の臨界熱流束値qcrの比較においても理論値とはオーダー的に一致。これにより、熱カウンター流のPIV計測結果の減殺度合いがほぼ解明された。(村上) 2 He IIキャビテーション流におけるGoelter-Mellink(G-M)伝熱状態での超熱伝導性の寄与・熱力学効果等に関する実験の成果をCryogenics誌に発表。(村上) 3 伝熱実験:He II沸騰の基礎実験として、落下塔を利用したマイクロ重力下実験を計画したが、落下塔設備が故障し延期した。それに替え従前の落下実験で得られた、ヒーター線周りに現れる蒸気鞘の発達・消滅過程の可視化画像の解析が実施され、G-M伝熱状態での蒸気泡を介した伝熱の詳細が調べられた(高田等)。更に、沸騰下での伝熱経路の解明の目的で、蒸気泡周りの流れ場のPIV法を応用した実験を開始し、有意な画像の取得に成功し、目下解析中。同じ沸騰下でも、ノイジー沸騰とサイレント沸騰とで蒸気泡周りのHe II流れ場に明らかな違いが見出されつつある。(村上)
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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