2011 Fiscal Year Annual Research Report
ジメチルエーテルをプロペラントとするアークジェット推進機とそのデュアルモード化
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22360356
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
橘 武史 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50179719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 浩貴 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50323043)
各務 聡 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80415653)
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Keywords | ロケット推進機 / ジメチルエーテル / 電熱加速型推進機 |
Research Abstract |
平成23年度は,提案したジメチルエーテルを用いたアークジェット推進機の性能評価や,その推力増強モジュールの設計に資する基礎データの取得のために,推力を測定し,燃焼速度などの推進薬に関する基礎的なデータを取得した. ジメチルエーテルを用いたアークジェット推進機に関しては,電極形状を変化させたプロトタイプ推進機を試作し推力測定実験を行った.電極間距離を1,2mmで実験を行ったところ.電極間距離2mmの推進機では,放電電圧が高く,結果として,放電電力や推力も大きくなった.一方で,同一比パワーにおいても,電極間距離が2mmの推進機の方が比推力や推力に優れていた.このことから,性能は電極間距離に依存することが判明した.また,性能は,陰極直径にも影響され,陰極直径4mmの方が2mmに比して比推力や推力が高くなる結果を得た. また,固体推進薬を用いた推力増強モジュールに関しては,ジメチルエーテルを用いたアークジェットの作動が必ずしも安定していないことから,レーザを一時的な熱源として代用し,レーザを熱源とする100mN級の推力増強モジュールを試作した.試作した推力増強モジュールは,外部からの熱が供給されている間のみに作動しており,熱供給の中断により作動も停止した.その上で,再度熱供給を行うと作動を再開することができた.この試作機を,試作した推力測定装置を用いて性能を評価したところ,25mN程度の推力も生成できていることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジメチルエーテルを用いたアークジェット推進機の作動を試作機を用いて実証するとともに,制作した推力測定装置を用いて,その性能を評価し比推力は330秒に至っている.また,推力増強モジュールでは,レーザを用いることにより,ジメチルエーテルアークジェットの研究と平行して,その研究を行うことができた.また,国際学会における発表のみならず,和洋の査読付き論文に掲載されるに至っている.以上の理由により,本研究は,おおむね順調に推移しているといえよう.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も,アークジェット推進機の構造(電極間距離,陰極形状)を変化させることにより,性能の向上と放電の安定化を試みる.また,今年度は推進剤自体にも着目する.すなわち,放電の安定化と性能のさらなる向上のために,ジメチルエーテルに他の物質を添加する.また,推力増強モジュールに関しても,試作機を製作,改良し性能向上を図る.
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Research Products
(4 results)