2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360360
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田原 弘一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20207210)
|
Keywords | 宇宙推進 / 電気推進 / ホールスラスタ / 推進性能 / 高比推力 / 長寿命 / 高電圧作動 |
Research Abstract |
本研究では、ホールスラスタにおいて3,000秒以上の高比推力と10,000時間以上の長作動寿命を同時に達成するために、性能測定実験、プラズマ物理量測定実験、寿命診断実験とプラズマ粒子法による数値計算を併用し、1.加速チャネルの材質を変更し壁近傍のシースプラズマ特性を変化させる、2.壁近傍の印加磁場の特性を変化させることによりイオンのチャネル壁面衝突を極端に防ぐことができる最適なイオン加速状態を実現することを目指した。 (1)推進剤にキセノンを用いて、放電電圧(200~1,200V(比推力3,000秒以上達成可能))と推進剤質量流量をパラメータとして変化させ、推力、放電電流、加速チャネル損耗量を測定した。得られた結果より、比推力、推進効率を求め、比推力3,500秒、推進効率6O%の達成を確認した。こうして定量的な検討を十分行うと共に、高比推力化、長寿命化のための最適なイオン加速過程が実現できる作動条件を探索した。 (2)3次元プラズマ粒子シミュレーションにより、ホールスラスタの放電室内部、特に加速チャネル壁近傍、及びその下流の噴出流の状態を調べた。放電状態、プラズマ生成・イオン加速過程、加速チャネル損耗状態を考察した。 (3)計算結果と昨年度得られた実験結果を比較検討、最適作動条件を最終提案し、ホールスラスタ実験機の改良点を決定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
400Vを超える高電圧作動の実現には高度な電気絶縁技術が必要であり、多くの工夫を施し成功した。そのために要した時間が予想外に長く、プラズマ診断の時間が十分に取れなかった。しかしながら、当初目的を超える比推力3,500秒、推進効率60%が得られ、性能的には満足している。
|
Strategy for Future Research Activity |
性能的には十分な数値が得られたので、次は長寿命化のために、引き続きプラズマ診断測定、数値シミュレーションを十分行い、最適作動条件を探索、修正していく予定である。
|
Research Products
(2 results)