2012 Fiscal Year Annual Research Report
海の深層冷熱を利用する取排水のない発電所の冷却水システムに関する研究
Project/Area Number |
22360364
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 雅彦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30529706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 徹 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30282677)
多部田 茂 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40262406)
大内 一之 東京大学, 新領域創成科学研究科, 研究員 (40533972)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 海洋深層水 / 発電所取排水 / 配管敷設 / 熱交換装置 / 肥沃化 |
Research Abstract |
本研究では、発電所構内の復水器と深度数百メートルの海洋深層との間を閉鎖式循環型の大径配管で結び、深層の冷熱を用いて復水器での蒸気冷却を行うことによって、温排水がなく、発電効率が年間を通じて安定化・向上する新形式の冷却水システムを提案している。平成24年度は研究計画の最終年度にあたり、当初予定どおり、新システムの総合評価を行った。主な成果は以下のとおりである。 1.海底に設置することになる熱交換装置の熱交換性能評価法を開発し、陸上から送られてくる温度の高い冷却用水が深層で所要の低温まで冷やされるために必要な装置の基本計画を行った。熱交換性能と装置の規模がトレードオフになるが、海洋での設置工事が不可能なほどの規模は不要であることが示された。 2.海底の熱交換装置の性能、冷却用水への界面活性剤添加による管内摩擦抵抗低減の効果など、これまで本研究で得られた評価成果をおりこんで、システムの性能面の総合評価を行った。最適な配管直径や流量を選定すると、従来の冷却水システムに比べて2%強の発電効率向上が見込まれる。 3.長い配管の敷設工事を短縮して工事の安全性・経済性を高めるために、全長一括敷設方式を提案し、敷設時のパイプの挙動および強度のシミュレーション計算手法を開発して地形に応じて適切な敷設方法の指針を得た。本方式は、撤去時の工事の時間短縮にも有効になる可能性が示唆された。 4.昨年度に引き続き、地形を考慮した海流・潮流のシミュレーションと深層の熱交換で生じた低密度水の挙動のシミュレーションを行い、生態系モデルを付加して、栄養塩を豊富に含む深層水が温められ表層へ輸送されることによる海域の一次生産力向上等について評価した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)