2011 Fiscal Year Annual Research Report
電場応答エラストマーによる波浪発電技術の確立と発電装置の開発
Project/Area Number |
22360370
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
増田 光一 日本大学, 理工学部, 教授 (10120552)
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Keywords | 人工筋肉発電 / 電場応答エラストマー / 海洋再生可能エネルギー / 浮体応答 / 実証実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は,電場応答エラストマーによる発電特性を用い,浮体式波力発電装置の開発を行うものである。そのために,電場応答エラストマーの発電特性を把握すると共に,浮体動揺による発電システムを確立させる。 平成23年度は上記の目的を達成するために,次の項目の研究を実施した。1)MPS法による浮体動揺シミュレータの開発,2)実海域実験による浮体式発電システムの係留方法の提案と発電特性の把握。 発電シミュレータの完成には至らなかったが,強非線形浮体応答モデルでの計算を可能とするツールの開発は行われた。不規則波中での発電特性を把握するためのシミュレータおよび評価ツールの開発には至らなかった。 本研究では,波浪中応答に関する基本的な動揺を再現するツールと周波数領域での検討を可能とすることができた。これらを踏まえて静岡県下田市須崎漁港内にて浮体式ブイの波力発電実証試験を実施した。 潮位変動に対応させるために,本年度の実験では完全な係留状態を再現した。その方法として,没水平板を海底に触れないように深部に沈め,そこから係留ワイヤーをブイ本体の電場応答エラストマーに接続した。この方法により潮位変動にも追随する浮体システムとすることができた。また,発電出力も得られ,完全なる浮体システムとしての比較的長時間の計測が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主たる目的は実海域にて潮位差変動に対応させるための係留方式での実証であった。これをある程度達成できたことが大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は数値計算,理論計算ツールを統合していくことが大きな目標である。また,装置の開発としては,より簡便な波力発電装置設置方法を提案し,その具体を示し,実証することである。特に,1基での発電量が把握できているので,複数基にした時の同時発電システムの検証が必要である。 これらの予定を実行するために,当初予定していなかった研究員を科研費にて雇用することを考える。実証試験には労力だけでなく,経験が重要となるため,これまでアルバイトで参加した学生を専門の研究員とする。
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Research Products
(1 results)