2011 Fiscal Year Annual Research Report
船船間通信を用いた自動避航意思疎通システムに関する研究
Project/Area Number |
22360375
|
Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
福戸 淳司 独立行政法人海上技術安全研究所, 運航・物流系, 研究グループ長 (40360713)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
疋田 賢次郎 独立行政法人海上技術安全研究所, 運航・物流系, 主任研究員 (00415803)
南 真紀子 独立行政法人海上技術安全研究所, 運航・物流系, 主任研究員 (10415804)
丹羽 康之 独立行政法人海上技術安全研究所, 運航・物流系, 主任研究員 (50344239)
|
Keywords | 移動体間通信 / 衝突回避支援 / 航行意志疎通 / 避航操船支援 / ヒューマンインタフェース |
Research Abstract |
現在、船上における衝突回避(避航)は、主に目視での相手船の動向観察と経験に基づく相手船の動きの将来予測および衝突予防に関する規則に基づいて判断し、実行されてきた。しかし、この避航判断は、操船者の予測に基づいたものであり、この予測が外れた場合、衝突の危険を引き起こす状況がある。これに対応するため、本研究担当者らは、船舶自動識別装置(AIS)の通信機能を用いて、レーダ画像上で衝突回避パターンをやり取りし、航行意志を交換する航行意志疎通支援システム(NIESS)を開発した。このシステムは、操船者が必要に応じて個々の船舶と意思疎通をするシステムとして開発したが、評価の結果、避航パターンのやり取りを自動的に行い、意に沿わない場合に修正することにより、省力化することが求められた。そこで、本研究では、遭遇パターンに対応した衝突回避パターンの自動生成アルゴリズムを開発し、これに基づいた自動避航意思疎通システムの設計・試作・評価を行う。 平成23年度は、衝突回避パターン生成のための調査等に基づき、衝突回避パターンの自動生成アルゴリズムを含む自動避航意思疎通機能とそのユーザインタフェースからなる自動避航意思疎通システムのプロトタイプを作成した。さらに、この機能を交通環境下で体験し評価に資するため同システムのテストベッドとして、平成22年度に作成した海上交通流シミュレーションシステムに自動避航意思疎通機能とプロトタイプとの通信機能を組み込み、交通流環境下で遭遇する船舶との自動避航意思疎通が体験できる環境を整備した。 平成24年度は、同テストベッドを用いて、実際の交通環境下で使用し、衝突回避パターンの自動生成アルゴリズムのブラッシュアップを図る他、操船リスクシミュレータにも接続し、景観を含めた環境下での有効性評価を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の目標は、自動避航意思疎通機能の実現とテスト環境の構築である。これに対し、ユーザインタフェースを含む自動避航意思疎通機能ができ、交通流シミュレーションシステムをベースとしたテストベッドを構築できており、ほぼ計画通りに推移している。但し、衝突回避パターンのさらなる改善は必要であり、24年度の早い時期に対応する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に則り、研究を進める。 国際学会等で研究成果の普及に努める。
|
Research Products
(5 results)