2010 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜計を用いた二酸化炭素地下貯留の高精度モニタリング法
Project/Area Number |
22360377
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松木 浩二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10108475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 清敏 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (50261590)
木崎 彰久 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60344686)
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Keywords | 二酸化炭素地下貯留 / 地表傾斜量 / 高精度モニタリング / 逆解析 / 多孔質弾性体 / 弾性定数 |
Research Abstract |
本研究では,地下深部に貯留されたCO_2の流動を地表傾斜計により高精度でモニタリングする方法を開発する.まず,多孔質弾性理論における各種岩石の弾性定数を実験的に明らかにしたうえで,これまでの方法についてCO_2流動を検知できる限界深度等を明らかにした後,地表面形状,岩体の不均一性ならびに断層などの不連続面の影響を考慮できる地表面傾斜量等の逆解析による地下深部流体流動評価法を開発し,同方法のCO_2漏洩検知能力を明らかにするとともにボアホール内傾斜計による能力向上法を提案する.本年度は,まず,岩石の多孔質弾性定数を決定するための三軸圧縮試験用圧力容器を主体とする実験装置の設計・製作を行った.すなわち,直径30mm,長さ75mmの試料に対して,耐圧が深度2000mに相当する50MPaの圧力容器を設計・製作し,高精密高圧(耐圧25.8MPa)シリンジポンプを用いて間隙水圧を高精度で制御し,封圧と軸荷重は現有の微量吐出ユニット(耐圧70MPa)と材料試験機(最大荷重100kN)で制御する実験システムを構築した.種々の岩石の多孔質弾性定数に関する実験は来年度に行う予定である. 次に,従来の流体流動評価法がどの程度の深度にまで適用できるか明らかにするため,楕円体状の流体体積変化領域について,評価精度に及ぼす2000mまでの中心深度の影響に関する解析を行った.その結果,傾斜量にノイズが混入していなければ中心位置はある程度正確に評価できるものの,ノイズが無視できない場合には,深度とともに流体体積変化の広がりのみならず中心位置の評価精度も悪化することが分かった.このことから,流体流動場の形状と分布を関数表示して決定すべき未知量を減らす解析法を考案し,予備的解析により,本方法はノイズにも強いことを明らかにした.
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Research Products
(1 results)