2011 Fiscal Year Annual Research Report
重力テンソル計測を目指した超高精度加速度計の開発研究
Project/Area Number |
22360378
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
笠原 順三 静岡大学, 理学部, 教授 (70012953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 逸人 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (40361802)
清水 悦郎 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (60313384)
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Keywords | 重力テンソル / 加速度計 / 超高精度計測 / 資源探査 / レーザー干渉 |
Research Abstract |
23年度は前年度製作したプロトタイプを用い、主として環境変動の影響、分解能の計測を実験室及び気象庁松代地震観測所地虚観測壕で行った。 ・レーザー干渉計の分解能に関し、最も影響の大きな要素はレーザー発光のドライバーの温度変化であった。これを計測するために0.001℃を計測できるPt100白金温度計を用いた。固定した対象物に対し距離を測定し、発光ドライバー装置内部の温度変化と変位測定値が相閲が有ることが分かった。外気温はそれほど目立った影響はない。 ・しかし、加速度計全体にはいろいろな要素が影響することが分かった。1)外気温、2)室温、3)レーザー干渉計ドライバー回路の温度、4)地球及び海洋潮汐、5)気圧変動、6)地動、7)地震振動、が影響する。3.11地虚の後であったので地震などが著しく大きな影響を与え、なかなか静かな環境での計測が著しく難しい。 ・気圧変動が小さな状況の下で観測した結果、東京湾の海洋潮汐がもつ日周変化を検出できた。海洋潮汐の変動は<100nm程度と考えられる。 ・これに対し、気圧変動の影響が著しいことが分かった。 ・松代地震観測所での試験では地動雑音は大きくないが気圧変動が大きな要素であることが分かった。 ・トルカーコイルの電流感度と傾斜変動による加速度変化を調べた結果、<50nmの計測が測定可能であることが分かった。 ・24年度では気圧変動の計測を取り入れ、10^4Paのセンサーを追加することを計画している。 ・また24年度、製作した2台の加速度計を用い、別々の変位(加速度)の計測をすることを行う。両者の差分を取ることにより共通の影響要素がとれることが来され、重力テンソルの計測に近づく事を期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
想定以上に環境変動要素(気圧変動、人工振動、地震)が著しく大きく試験結果を左右することが分かった。特に気圧変動が大きく影響している。また、3.11地震の余震活動も精密加速度計測に影響している。 できるだけ静かな気象庁松代観測所を利用させてもらっているが、冬場凍結などによる機器試験が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
加速度計を2台製作し、その試験中である。気圧変動、温度の影響を差分により取り除く。 また気圧計のデータも取得する。
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Research Products
(2 results)