2011 Fiscal Year Annual Research Report
合成開口レーダー・散乱計及びメソ気象モデルを用いた洋上風力資源調査手法の開発
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22360379
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
香西 克俊 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 教授 (30186613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 輝夫 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (80324284)
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Keywords | 洋上風力資源 / 合成開口レーダー / 散乱計 / メソ気象モデル / 鉛直風速推定モデル / 大気安定度 |
Research Abstract |
本研究は、合成開口レーダー、マイクロ波散乱計及びメソ気象モデルWRFを組み合わせた洋上風力資源推定手法の確立を3年間の目標とし、これを達成するため本年度は以下に示す項目を実施した。1.合成開口レーダー・散乱計及びメソ気象モデルによる瞬時の海上風推定手法の検証と改良(香西、大澤、連携研究者):和歌山県田辺湾周辺海域を対象とした合成開口レーダーを用いた研究から、対象海域、シーン数を増やし、さらに昨年度のC,L,Xバンド合成開口レーダーの海上風推定への適用可能性の結果と、鉛直風速推定モデルの検証と改良結果の検討を加えることにより、合成開口レーダー風遠推定アルゴリズムにメソ気象モデルの計算風向を用いて海上風速を推定する手法を改良し、一般化を図った。2.合成開口レーダー、散乱計及びメソ気象モデルによる風力資源賦存量推定手法の確立.(香西、大澤、連携研究者):海面上10mの高さで求められる合成開口レーダー及びマイクロ波散乱計の風速推定値に対して、メソ気象モデルにより計算される10m高度と風車ハブ高度(60~80m)の風速比率を乗じることにより、大気安定度を考慮した形で風車ハブ高度の風速推定を行った。海岸線から数十km以上の外洋域に関しては、散乱計とメソ気象モデルを上記のように組み合わせることにより、ある程度信頼性のある風力資源賦存量推定手法が確立できたものと考える。沿岸域に関しては、合成開口レーダーとメソ気象モデルの同様な組み合わせた手法の確立を目指しているが、両者共に瞬時の風速推定に未だ無視できない大きな誤差があることが明らかになり、この改善に関しては来年度の課題とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合成開口レーダーと散乱計、メソ気象モデルを組み合わせた瞬時の海上風推定手法の検証と改良に関しては、対象海域を田辺湾周辺海域から土佐湾沖まで拡大し、取得シーン数に関してもC,LだけでなくXバンド合成開口レーダーも加えて海上風推定への適応可能性を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
合成開口レーダー、散乱計及びメソ気象モデルを組み合わせた風力資源賦存量の推定手法の確立とそれに基づく風力資源賦存量マップの作成が今後の目標である。この目標に対する推進方策として具体的には(1)メソ気象モデルのシミュレーションの中で合成開口レーダー画像から求められた海上風場を4次元同化する方法、(2)合成開口レーダー画像に基づく統計量を膨大なメソ気象モデルデータに基づく統計量と比較して修正する方法、(3)数少ない合成開口レーダーとメソ気象モデルの同期データをニューラルネットワーク若しくはカルマンフィルター等によって関連付ける方法などを検討する。
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Research Products
(7 results)