2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360381
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水永 秀樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (40226246)
|
Keywords | 可視化 / 地熱 / 天然ガス / 水資源 / 自然現象観測・予測 / 物理探査 / 電磁探査 / モニタリング探査 |
Research Abstract |
地下流体の可視化に利用されている流体流動電位法では、地下流体の流動に伴う電気現象(流動電位や比抵抗の変化)を計測対象にしているが、電気現象の時間変化に伴う磁気現象は計測対象とされていなかった。これまでは、高精度な小型磁気センサが存在しない等の理由で多点での磁場計測が実現できなかったが、近年のセンサ技術の進歩で新しい原理に基づいた小型磁気センサが開発され、磁場情報の多点同時観測の環境が整備された。本研究では、小型磁気センサを用いて電場と磁場の多点同時観測を行う"流体流動電磁法"の計測システムを開発し、石油や地熱流体などの資源流体のリアルタイム可視化の研究を実施する。 平成22年度には、これまでに開発したプロトタイプの計測回路を大幅に変更し、新しく計測回路を設計して試作した。まず磁気センサをアイチマイクロインテリジェント製の3軸MIセンサに変更し、大きさを従来の1/5、消費電力を1/30にすることができた。また3軸MIセンサを3個使うことで、計測システムに冗長性を持たせ、故障時のセンサの早期の切り替えを可能にした。次にデータのサンプリング間隔は280Hzから1kHzへ高速化し、大量のデータ取得を可能にした。このサンプリング間隔の高速化に伴い、記憶メディアの大容量化が必要となったため、記憶メディアもSDカード(最大2GB)からSDHCカード(最大32GB)に変更した。さらに多点同時観測の時刻同期のため、GPSモジュールを組み込んで時刻情報を得られるようにした。計測回路全体については、すべての計測回路をPSoCで構成するように変更し、電源回路も単純化し、計測回路に使用した部品点数を削減して保守性を向上させた。 また、ハードウェアの開発と並行してして、データ解析のためのプログラムの開発も行なった。本年度は点電流ソースによって生じる磁場を計算するシミュレーションプログラムを開発した。
|
Research Products
(3 results)