2011 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物の複合利用による低コスト耐震性地盤材料の開発と堤防補強・環境修復への適用
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22360383
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 弘 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (90188045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深川 良一 立命館大学, 理工学部, 教授 (20127129)
須藤 祐子 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (70344687)
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Keywords | 稲わら / 耐震性地盤材料 / 耐侵食性地盤材料 / 環境修復 / 堤防補強 / 繊維質固化処理土 |
Research Abstract |
本研究では,建設廃棄物である「建設汚泥」あるいは産業廃棄物である「浄水発生土」と農業廃棄物である「稲わら」の両方を複合利用することにより,極めて安価な耐震性地盤材料を開発すること,およびこの地盤材料を用いて重要構造物である堤防の耐震補強や高温多雨地域における土砂流出防止に貢献し得る技術開発を行うことを目的としている.平成23年度の結果は以下の通りである. 1.稲わら入り繊維質固化処理土を高温多雨地域における堤防補強に適用するためには,激しい降雨に抵抗できる高い耐侵食性を有することが必要とされる.そこで,本研究では,水中噴流装置を作成し,稲わら入り繊維質固化処理土の耐侵食性について実験的に検討した.その結果,稲わら入り繊維質固化処理土は通常土と比較して侵食され難く,高い耐侵食性を有することが確認された.またこの傾向は,セメント系固化材の添加量が大きくなるほど顕著であった. 2.任意の粒度分布の建設汚泥でも耐震性を確保するのに必要な稲わら粉砕物の最適添加量や最適混合時間を計算機上でシミュレートできる計算機シミュレータを開発した.シミュレータの開発には,連続体から粒状体まで連続して解析できる個別要素法(DEM)を採用した.モデル化した固化処理土と繊維質固化処理土に対して振動模型シミュレーションを行った結果,繊維質固化処理土は非常に大きな振動を加えたにもかかわらず崩壊するまでには至らず,限定的に高い耐震性を有することが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,稲わら入り繊維質固化処理土の耐侵食性および耐震性について検証することを目的として研究を実施したが,耐侵食性については,水中噴流装置を用いた実験により高い耐侵食性を確認できた.また耐震性を評価するための計算機シミュレータの開発も計画通りに進んでおり,概ね順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は最終年度になるが,平成24年度は稲わら入り繊維質固化処理土の耐震性を繰り返し三軸圧縮試験機などを用いて実験的に検証することを予定している.また耐侵食性についても実験条件を広げるとともに,人工降雨機を持ちいて定量評価する予定である.これらの実験に対するノウハウは既に有しており,研究を遂行する上で特に問題点はないと考えている.
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