2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子スラリーの高速・高効率連続ろ過を可能にするスラリー前処理技術の開発
Project/Area Number |
22360385
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
椿 淳一郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50109295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 隆昌 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20345929)
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Keywords | スラリー / 高分子電解質 / 塊状凝集 / 堆積層濃度 / 堆積層流動性 |
Research Abstract |
粒子径が数百ナノメートルのアルミナ粒子を用いて水系スラリーを調製し、高分子電解質を過剰に添加することで塊状凝集体が形成可能かどうかを検討した。その結果、適切な量の高分子電解質を添加することで、極めて希薄なスラリーであっても粒子を塊状凝集させることが可能であることが分かった。 さらに、高分子電解質を過剰に添加することで粒子が塊状凝集するメカニズムを実験的に検討した。その結果、スラリーのpHやポリマー濃度上昇による枯渇効果は塊状凝集の主要因ではなく、塩濃度の増加による高分子電解質吸着層及び電気二重層の圧縮が主要因であることが明らかとなった。 さらに、電解質無機塩による電気二重層の圧縮によって形成された凝集体と高分子電解質を過剰に添加して形成された凝集体の違いを比較検討した。その結果、高分子電解質を過剰に添加した塊状凝集スラリーからは、電解質無機塩を添加した凝集スラリーと比較して、比較的高粒子濃度の堆積層が得られ、かつ堆積層の流動性も良好であることが分かった。これらは溶液中の未吸着高分子電解質が粒子間に入ることで、粒子の摩擦係数を落とし、再配列を容易にしていることが起因していると考えられる。したがって、高分子電解質を過剰に添加して調製した塊状凝集スラリーは沈降濃縮に適しており、後工程のろ過等によるさらなる高濃縮プロセスへも適用しやすい特性を有していることが分かった。
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