2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子スラリーの高速・高効率連続ろ過を可能にするスラリー前処理技術の開発
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22360385
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
椿 淳一郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50109295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 隆昌 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20345929)
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Keywords | スラリー / 高分子電解質 / 塊状凝集 |
Research Abstract |
昨年度粒子径が数百ナノメートルのアルミナスラリーを効果的に塊状凝集させることが出来た高分子電解質であるポリカルボン酸アンモニウムを用いて、実際の産業現場で取り扱われている酸化鉄スラリーの高速・高効率連続ろ過を可能にするスラリー前処理条件を検討した。 ポリカルボン酸アンモニウムを原料酸化鉄スラリーに添加すると、添加量がポリカルボン酸の飽和吸着量よりも少ない領域で、スラリーpHの等電点側へのシフト及び粒子を架橋することに起因すると思われる粒子の凝集が確認され、効果的に沈降濃縮出来ることが示された。得られた沈降濃縮後のスラリーは輸送できる程度の流動性を保持していたため、開発したケークレス高濃縮ろ過装置でろ過したところ、高速・高効率連続ろ過を実現するためには、粒子濃度が高くなったところでスラリーの流動性を保持できるということが重要であることが分かった。したがって、ポリカルボン酸アンモニウムを追加添加し、再びろ過を行ったところ、スラリーの粒子濃度が高くなっても良好な流動性が保持され、既存のシステムの濃縮限界値を上回る高濃縮が実現できた。しかしながらポリカルボン酸アンモニウムのコスト的な問題から、より少ない添加量で同等の効果を実現する必要がる。高濃度域でスラリーの流動性を保持するためには高分子電解質であるポリカルボン酸アンモニウムが不可欠なため、前処理の沈降濃縮ではpH調製や凝集剤を使用することによって、コスト的にも実現可能な前処理プロセスを確立することが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル系での実験だけでなく、実際の産業現場で用いられているスラリーを対象とした応用実験にも取り組むことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
コスト的に見ても実現可能な前処理プロセスを確立すること 高分子電解質に特有の塊状凝集現象、及び充填性が良くかつ流動性が高いという塊状凝集スラリーの特徴が産まれる原因、メカニズムを解明すること
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