2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属資源利用・散逸時間経路及びその温暖化ガス排出の廃棄物産業連関分析
Project/Area Number |
22360386
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中村 愼一郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20180367)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加河 茂美 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20353534)
中島 謙一 独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (90400457)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | リサイクル / 温暖化ガス / 産業連関分析 / 品質損失 / 希釈損失 |
Research Abstract |
金属は元素であるのでプラスチックや繊維のような高分子と異なり劣化がないので,無限にリサイクル可能であると思われがちである.現実には1種類の金属が単体で用いられることは希であり,複数の異種金属が化学的・物理的に結合され用いられるのが普通である.その結果,使用済み製品からの回収に於いて異種金属の混合により品質劣化の発生とが少なくない.好例が銅や錫の混入による鉄スクラップの品質低下である.この理由で,使用済み製品からの回収金属について,多くの場合,本来の機能を生かした閉鎖系リサイクルではなく,本来の機能を必要としない開放系リサイクルが行われている. 本研究の主要目的は,使用済み製品からの回収過程における混合の結果生じる追加環境負荷を産業連関分析に基づいて定量的に解析する手法を開発することであった.追加環境負荷として 1)品質劣化により本来の機能を持った素材の追加的生産が必要であること(品質損失),2)混合により開放系リサイクルにおいても品質要求を満たすためにバージン材による希釈が必要であり,そのために追加的バージン材生産が必要なこと(希釈損失),を考慮した.産業連関分析を用いるのは,この手法がその柔軟性・一般性と高い数学的完成度から産業エコロジーにおける一般的数理モデルとして優れた有効性をもつからである. 品質・希釈損失を考慮したモデルを廃棄物産業連関分析(WIO)に基づき開発し,使用済自動車からの鉄源回収について産業連関表基本分類水準の解像度で実装を行った.回収した鉄スクラップへの銅混入について様々なシナリオを設定し,リサイクル可能性を地球温暖化ガス排出量について定量評価し,品質損失・希釈損失の回避により,温暖化ガス排出を少なからず削減できるとの結果を得た.詳細を Environmental Science & Technology 46(17) に発表した.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|