2010 Fiscal Year Annual Research Report
高密度量子場光計測のための照射誘起発光体開発に関する研究
Project/Area Number |
22360397
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
四竈 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30196365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 晋二 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (40208012)
趙 明 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50512224)
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Keywords | 発光体 / 中性子 / ガンマ線 / イオン / 光ファイバ |
Research Abstract |
本研究は、低線量率電子励起場(ガンマ線)、高線量率励起場(イオン)、低線量率高エネルギ中性子場(14MeV核融合中性子源)を用いて候補材を中心とした発光挙動解明、それに基づく材料探索を進め、最終候補材料を選定する。別途開発を進める耐照射光ファイバと選定された発光体を組み合わせて作成する放射線診断システムを用いて、現在実環境に最も近い研究原子炉炉心での発光挙動評価を行い、最終的な放射線診断特性を、機構面を含めて検証し、本放射線診断システムの実用化への見通しを得る、ことを目的とする。本年度は、加速器、ガンマ線源を用いて、複数のセラミックスの照射誘起発光挙動を引き続き検討した。誘起発光の基礎となるレーザ誘起発光評価のためのシステムを構築し、基礎データの取得につとめ、レーザ誘起発光と照射誘起発光の相違点について検討を行った。一般的には照射下で放射線により励起される発光スペクトルとレーザ励起発光スペクトルは極めて似ているが、かなり異なるスペクトルが観測される場合があり、この相違が発光機構解明の糸口となると考えられ、結果の解析を進めている。一方、照射誘起発光では、照射と共に発光強度が減少することが問題となる。複数の試料について、照射に伴う発光強度減少の原因を特定し、簡単なモデルによる解析から定量的に発光強度減少挙動を記述することに成功した。電子励起に敏感なセラミックスでは、いわゆる広義のラディオリシス減少により発光強度が著しく減少する。一方、ラディオリシスに鈍感なアルミナなどの発光体では、発光強度の変化ははじき出し損傷により一義的に記述することが可能となる。これらの事から、複数の発光体において、発光を利用した放射線場の強度評価が長期間定量的に行えることを実証した。
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