2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360400
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木倉 宏成 東京工業大学, ソリューション研究機構, 准教授 (00302985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 義和 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30251672)
村川 英樹 神戸大学, 工学研究科, 助教 (40467668)
武居 昌宏 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90277385)
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Keywords | 計測工学 / 原子力エネルギ / 流体工学 / 超音波 / 流量計測 / フェーズドアレイ / 超音波診断 / 流速分布計測 |
Research Abstract |
本研究では,従来行ってきた超音波流速分布計測法の高精度超音波流量計にフェーズドアレイ法を用いた診断技術を融合して,配管壁内の探傷を行いながら,流れ場の流速分布計測が可能なフェーズドアレイ探傷式超音波流速分布流量計の開発を目的とし,以下の知見を得た. (1)フェーズド超音波パルスの金属壁透過を考慮する場合,壁厚さに対する超音波の入射条件の選択が必要である.最適入射条件は配管壁の材質,厚さおよびセンサの設置角度,発振周波数などに依存するため,昨年度に引き続き現有の音場測定装置を用いて2次元音場計測を行うと共に音場解析を行った.また,液体および固体壁内の音速測定,超音波透過率測定,混入粒子の選定,測定線屈折の測定および最適入射角の選定をさらに調査し,音場解析を金属壁透過音場の解析に適用して実験値と比較検討した上で,最適入射条件の選定を行えるフレキシブルなソフトアレイセンサの設計・製作を行った. (2)初年度に設計したフェイズドアレイセンサを試作し,フェーズドアレイ装置を用いて,パルスの遅延方法や遅延時間間隔を調整することにより,ダイナミックフォーカスやビーム走査のフェーズドアレイ独特の走査手法を利用して,超音波ビームの伝搬特性を調べた.また,前年度開発したリピテーション手法および超音波時間領域相関法による流速分布計測を行い,フェーズドアレイ流速分布システムを完成させた. (3)超音波探傷計測の基本的機能を本システムに取り込むための基礎実験を行い,超音波パルサ/レシーバと高速デジタル信号処理装置および超音波時間領域相関法を用いてハイブリッド型超音波流速計のシステムを初年度の装置に組み込む検討を行った. (4)実機適用条件の高温条件に適用するための,超音波センサの基本設計を検討する.高温計測には,センサに使用する音圧素子の高温対応と,遅延材を冷却して測定する導波棒計測システムを検討し,音圧素子の高温対応に関しては,ニオブ酸リチウムを用いた高温用センサを検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フェーズド超音波パルスの音場特性を実験と数値解析より明らかにすることが出来,従来の超音波流速分布計測法の信号処理概念をフェーズドアレイ装置に応用し,フェーズドアレイ流速分布システムを構築する事が出来た.また,得られた研究成果の一部を,公表することが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
パルス超音波の配管透過特性および伝播特性を3次元音場計測実験と3次元音場解析により明らかにすると共に,フェーズドアレイ探傷式超音波流速分布流量計に有効な信号処理アルゴリズムを構築し,実験および解析結果を総合的に検討し,フェーズドアレイ探傷式超音波流速分布流量計の開発と実機適用性に関する研究を確立する.なお,東日本大震災の影響により当初計画していた東京電力技術研究所所有の小型高温高圧実験流路が使用できなくなったため,現有の鉛直配管流路および水平配管流路を改良した実験装置を構築し,曲がり管直後の高精度流量計測や金属配管高精度流量計測などの実機適用性の検証を行うこととする.
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Research Products
(1 results)