2012 Fiscal Year Annual Research Report
ガス貯蔵量増加と製造条件緩和の両立を図るガスハイドレート調製法の確立
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22360410
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅原 武 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (20335384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大垣 一成 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80107078)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ガスハイドレート / 水素 / 天然ガス / 化学工学 / ガス貯蔵 / ラマン分光分析 / 高圧示差走査熱量計 / チューニング現象 |
Research Abstract |
当該研究の最終目的「チューニング現象のメカニズム解明・最適化」と「ハイドレート籠の再利用と圧力操作時の籠安定性の解明」を達成するために、最終年度である平成24年度は、これまでに明らかにしてきた結果から発現メカニズムを総合的に構築し、それを元に、できる限り温和な条件で製造する方法の探索ならびに圧力操作によるハイドレート籠の安定性変化に関する研究を主に行った。 チューニング現象は、少量の補助剤分子が拡散により緩やかに氷表面に存在する自由度の高い表面水に供給され、局所的にハイドレート様の前駆体構造が構築されることに起因する。このとき、包接したいガス分子(例えば水素分子)が補助剤分子と比較して多量に存在するとき、本来補助剤分子が包接されうるハイドレートの大籠を準安定的にガス分子が占有することで、チューニング現象が発現する。すなわち、氷表面への補助剤分子の絶対供給量・ガス分子に対する相対供給速度と前駆体生成速度を左右する温度、ガス分子の圧力の4つの因子がチューニング現象に影響を及ぼすことを明らかにした。また、高圧示差走査熱分析から、ハイドレート籠の水素結合をほぼ非破壊で水素分子が拡散すること、その際のエンタルピー変化は、ハイドレートの生成エンタルピーと比較して僅かであること、さらに、熱的な視点でもハイドレート籠再利用の可能性を確認した。 解明したメカニズムを用いて、できる限り温和な条件下でチューニング現象を発現させる研究を行った。水素貯蔵量の観点ではまだ改善の余地があるが、これまで液体窒素温度が必要であった調製温度の高温化に成功し、液体窒素を全く使用しない260 K付近でのチューニング現象発現を高圧光学セルを用いて分光学的に確認した。 得られた研究成果は論文として投稿済(審査中)もしくは投稿を予定しており、併せて3本の原著論文としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)