2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22370001
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
飯田 滋 静岡県立大学, 大学院食品栄養環境科学研究科, 客員教授 (30012777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定塚 恵世(久富恵世) 静岡県立大学, 大学院薬学研究科, 博士研究員 (60517887)
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Keywords | ゲノム / 植物 / バイオテクノロジー / 遺伝学 / 逆遺伝学 / 遺伝子 / 突然変異 / 組換え機構 |
Research Abstract |
逆遺伝学的変異導入とは、塩基配列が明らかにされた生物に於いて、目的とする遺伝子の生体内における機能を解析するために、目的遺伝子内に選択的に変異を導入することであり、この手法は、先ず変異体を分離して原因遺伝子を同定する手法とは逆の手順を踏んでいることから、逆遺伝学的手法と呼ばれ、相同組換えによる遺伝子ターゲティングやトランスポゾンを用いた挿入変異などが含まれる。我々はポジティブ選抜マーカーとネガティブ選抜マーカーを用いて、世界に先駆けて逆遺伝学的変異導入に係わるイネの相同組換えによる遺伝子ターゲティングやイネの内在性DNAトランスポゾンを用いたタギングにも成功し、挿入ポジティブ選抜マーカーの両端で相同組換えが起った結果、予測通りのゲノム構造の遺伝子破壊株を複数の得ることができた。これら遺伝子破壊株を用いた遺伝子機能も解析中であるが、多くの研究者が容易かつ普遍的にこれらの手法を活用するためには、組換え及びその制御機構を解明して最適化を図り、さらに汎用化と普遍化も図る必要がある。相同組換え機構解明の手掛りになり得る稀に起り、挿入ポジティブ選抜マーカーの一端では相同組換えが、他端では非相同組換えが起ったために one sided invasion を起した遺伝子破戒株も得られたので、その構造を解析中である。また、原理的に培養変異を惹き起こさない内在性 DNAトランスポゾン nDart1 を用いた逆遺伝学変異導入法の最適化を目指し、nDart1 の転移活性とその制御に関連する DNAトランスポゾンのメチル化を解析し、DNAの脱メチル化と転移活性とのも関連等の解析も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年7月と9月の2度にわたり温室が故障したため。
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Strategy for Future Research Activity |
極最近になって、ZNFsやTALENsなどを用いてゲノムに2重鎖切断を導入して遺伝子ターゲティングを行う Genome editingの手法がよく用いられる状況になってきたこともあり、また本研究が私の研究の集大成になるとも考えられるので、相同組換え機構の解析ばかりでなく、イネの遺伝子破戒株を用いた遺伝子機能の解析にも努力を傾注する。さらにポジティブ選抜マーカーとネガティブ選抜マーカーを用いた相同組換えによる遺伝子ターゲティング法の普遍化を目指して、イネばかりでなく、コケ植物であるゼニゴケヘの応用も試みる。
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Research Products
(9 results)